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» 2010年10月08日 21時01分 UPDATE

CEATEC JAPAN 2010:スマートフォンとフィーチャーフォンは融合していく――ドコモの辻村氏 (1/2)

秋冬モデルでの新端末ラッシュが予想されるスマートフォン。ドコモの辻村氏は、フィーチャーフォンはスマートフォン化し、スマートフォンにはフィーチャーフォンの機能が入って“両者は融合に向かう”と話す。その一環として、ドコモマーケットのiモード版を提供する計画があることを明らかにした。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo NTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏

 残すところあと3カ月を切った2010年。この1年は、携帯電話市場が大きく変わる転換期の年といえるだろう。スマートフォンの台頭や通信速度の高速化、モバイルW-Fiルータの登場に伴うデータ通信利用の拡大が新たな市場を形成。12月には日本の通信キャリアの先陣を切って、NTTドコモがLTEサービスをスタートする。

 変化の渦中にあるモバイル市場は今後、どのような進化を遂げるのか。CEATECの基調講演に登壇したNTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏が「ケータイの今とこれから」と題した講演で、ケータイ市場の今後について話した。

モバイルのブロードバンド化で何が変わるのか

 辻村氏は、携帯市場の進化について「ブロードバンド化」「リアルとネットの融合」「グローバル化」の視点から説明。ブロードバンド化については、12月から「Xi(クロッシィ)」というブランド名で商用サービスを開始するLTEを軸に話を進めた。

 ドコモのLTEは、サービス開始当初は下り最大37.5Mbpsの高速通信をデータ端末で提供。通信速度の理論値が現行HSPAサービスの約10倍になるLTEでは、動画や3Dなどのリッチなコンテンツの普及が加速するとみる。

 例えばドコモは動画配信サービスとして、1本6〜7分程度の番組を配信する「BeeTV」を提供しているが、LTE時代にはこうしたコンテンツが主流になるとともに、エンタテインメント以外の観光や通販、ナビゲーション、警備、医療などの分野でも使われるようになると予測する。

 映画「アバター」のヒットをきっかけにブームに火が点いた3Dも、そのトレンドが携帯電話の端末やコンテンツに波及すると見ており、端末については「ここ1〜2年、もしくは2〜3年で3D化が本格的になり、3D対応の端末が中心になってくるだろう」と予測。CEATECのドコモブースで展示している3Dコンテンツ生成技術や、触覚を伴う3D体験技術の紹介を通じて、ドコモとしての取り組みをアピールした。

sa_doco08.jpgPhoto ドコモがCEATECで展開している3Dのデモ

 もう1つ、辻村氏がLTEで大きく変わると見るのは、端末とネットワークの負荷分散のバランスだ。LTEは高速通信が可能になるだけなく、FOMAに比べて周波数の利用効率が高く、遅延が少ないという特徴も備えている。こうした次世代のネットワークを使えば、これまで端末側で行っていた高負荷な処理をネットワーク側で行えるようになり、モバイル分野においてもクラウド化やシンクライアント化が加速すると、辻村氏は予測する。

 それを後押しするのが、昨今のマルチ端末環境の進展だ。例えばPCと携帯電話、スマートフォンを利用しているユーザーが電話帳を使う場合、電話帳機能はネットワーク上にあったほうが便利に使える。情報が分散することがなく、どの端末から情報を更新してもネットワーク上の電話帳に反映され、いつどのデバイスから使う場合でも最新の状態で使えるからだ。

 コンテンツについても、これまで端末側で行ってきた処理をネットワーク側に任せられるようになり、例えば自動翻訳サービスを提供する場合でもレスポンスのよいサービスを提供できるようになると辻村氏。「マルチデバイスの時代には、なるべくネットワーク側にメモリや通信処理機能を持たせた方がいい。そういう場合にもLTEは適している」(辻村氏)

Photo LTEの持つ特性が、モバイル分野のクラウド化やシンクライアント化を加速させると辻村氏

 ただ、ネットワークのブロードバンド化でデータ利用が拡大すると、トラフィックの爆発に対する対策も必要になってくる。LTEはHSPAと比べて周波数帯の利用効率が高く、容量面では3倍の能力があるため、LTEの導入が1つの解決になるという。ただ、それだけでは対応しきれないため、一部のヘビーユーザーに対する通信速度のコントロールや、フェムトセルやWi-Fiの活用、放送波を使ったコンテンツ配信などの施策で対応する考えだ。

LTEに2つの方式、将来はデュアル仕様に?

 これまでCDMA方式を使っていた通信キャリアが、3.9GではLTEへの移行を表明するなど、世界は“LTE一色”になりつつあるが、分割方式が異なる2つの仕様があると辻村氏。多くの通信キャリアが周波数分割方式のLTEを採用するが、中国通信キャリア大手のチャイナモバイルが時分割方式のTD-LTEの採用を表明しており、ほかにもインドの一部通信キャリアなどが対応する可能性もあるという。

 周波数分割方式のLTEのみに対応する端末では、日本のユーザーが中国などのTD-LTE圏を訪れたときに利用できないので、「おそらく今後は、両方使えるデュアルモードの端末が主流になる」と辻村氏はみている。


携帯がマーケティングを変える

 実空間とネット空間の融合が顕著になるのも、今後の携帯分野の大きなトピックだ。辻村氏は、いつも身近にあり、いつでもネットワークにつながるという携帯電話の特性を生かした新たなビジネスが生まれているといい、その例として日本マクドナルドのCRMサービスを挙げた。

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