短命に終わったMicrosoftのソーシャル携帯「KIN」、復活か?

» 2010年11月15日 17時41分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 ハロウィンは終わったかもしれないが、少なくとも1つ、死からよみがえるものがあるようだ。それは、売り上げ不振により発売から数カ月で不名誉な終わりを迎え、笑いものになった米Microsoftの携帯電話「KIN」だ。報道が正しければ、米Verizon WirelessはKIN OneとKIN Twoを、機能を省いた「フィーチャーフォン(多機能携帯電話)」として販売する計画という。過剰在庫を一掃するためかもしれない。

 Microsoftは当初、KIN OneとKIN TwoがSNS好きなティーンやヤングアダルトの「マスト」デバイスになると期待していた。これら端末には、アップデートを絶えず表示したり、写真やデータをクラウドにシームレスにアップロードできる機能が備わっていた。

 残念ながら、KINは売れなかった。「MicrosoftはWindows Phone 7の立ち上げに集中することを決定した。秋に計画していた欧州でのKIN発売は取りやめる」と同社は6月30日の声明文で述べていた。「KINチームはWindows Phone 7チームに統合し、KINの貴重なアイデアと技術を将来のWindows Phoneリリースに取り入れる」

 だがVerizonは、KINの在庫を一掃する気になっているのかもしれない。少なくとも、PPCGeeksブログが「Verionの友人」から入手したと称する2010年のロードマップでは、そうなっている。

 KINの再登場は、Engadgetなどほかのブログも確認している。KIN v2.0は、SNSのアップデートをリアルタイムにフィードする「Loop」など、データ通信量の多い機能が外されているようだ。

 「ほかのフィーチャーフォンにはない、突出したハードで強化されたフィーチャーフォン」とKINについて、Verizonのロードマップには記されている。「各デバイスにはタッチスクリーンとQWERTYキーボード、ハイエンドカメラ、写真や動画を保存するのに十分な内蔵メモリが備わっている」とも。

 Microsoftは初めKINを大々的に売り込んだが、初期の販売台数については沈黙を通している。Pocketnow.comなどのサイトは、KINでしか使えないKIN Facebookアプリの「月間アクティブユーザー」はわずか8810人だと指摘していた。

 専門家は、KINの失敗の原因はおおむね、Verizonのデータプランの月額料金――ティーンには高すぎる――と、競合デバイスに対してKINの価値命題を定義できなかったことにあるとしている。

 あるアナリストによると、KINの問題が始まったのは、Microsoftが2008年にSidekickモバイルプラットフォームを作っていたDangerを買収してからだという。買収後まもなく、MicrosoftとDangerが「Project Pink」という独自ブランドのソーシャル携帯で協力しているといううわさが流れた。だが、Dangerの資産をMicrosoftに統合しなければならなかったため、プロジェクトは遅れ、結局は失敗した。

 「KINは初めから間違いだった」とEnderle Groupの主席アナリスト、ロブ・エンダール氏は、KINの製造終了発表後に電子メールで語っていた。「KINをSidekickプラットフォームからWindows CEに変えるのにかかった余計な時間のせいで、市場投入が1年半ほど遅れた。Dangerの統合でさらに1年半延びた可能性が高い。いつから数えるかにもよるが、1.5〜3年遅れたことになる」

 2人の上級幹部が去ることになったMicrosoftのエンターテイメント&デバイス部門の再編も、当時立ち上げ準備中だったKINにさらに影を落とした可能性がある。

 だが今、ホラー映画に登場するチェーンソーを持った怪人のように、KINは墓からはい出てきた。Verizonは過剰在庫を片付けようとしているのかもしれないし、Windows Phone 7立ち上げを受けて消費者がMicrosoftデバイスに抱いた関心を利用しようとしているのかもしれない。Windows Phone 7と言えば、同プラットフォームがKINよりも売れることをMicrosoftが願っているのは間違いない。

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