ドコモ、auを抜いて顧客満足度トップに――2010年のJ.D. パワー調査で調査リポート

» 2010年11月19日 15時38分 公開
[ITmedia]

 J.D. パワー アジア・パシフィックは11月18日、個人利用者を対象とする2010年の顧客満足度調査の結果を発表した。2006年から個人向け顧客満足度で総合トップの座を守ってきたauが2位に転落し、NTTドコモがトップを獲得。ドコモは法人向け携帯電話サービスの顧客満足度でもトップを獲得しており2冠を達成した。同社は2008年に「新ドコモ宣言」を発表して以来、顧客満足度の向上を最優先課題としており、その取り組みが結実した格好だ。

法人に続き、個人向けでもトップに――通信品質とエリアが高評価

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 J.D. パワーは個人利用の顧客満足度について、「顧客対応力」「電話機」「各種費用」「通信品質・エリア」「非音声機能・サービス」の5項目から評価を実施。その結果、総合満足度のトップは、昨年に比べて顧客満足度が14ポイント上がったドコモが獲得した。5つの項目のうち、顧客対応力、電話機、通信品質・エリア、非音声機能・サービスで他キャリアを上回る評価を得ており、中でも通信品質とエリアは2009年から評価が著しく上昇。他キャリアとの評価の差がもっとも大きかった。

 第2位は、各種費用の満足度が3キャリアの中で最も高かったauが獲得。同社は2009年の調査から、各種費用と顧客対応力の満足度が上昇している。第3位はソフトバンクで、各種費用が3社中2番目に高い満足度となった。前年比では、電話機、非音声機能・サービス、顧客対応力満足度が上昇している。

端末、料金の満足度は大きな変化がみられず――市場の総合満足度

 なお、2004年から2010年までの携帯電話サービス市場全体の総合的な満足度は、11ポイントの上昇にとどまっている。携帯電話サービスの満足度を構成するファクターでは、通信品質・エリアや非音声サービス・機能は大きく向上したものに、各種費用や電話機の満足度にはほとんど変化が見られなかった。

 各種費用については、各キャリアがさまざまな割引プランを導入しているものの、請求内容の複雑化や新販売方式の導入による端末価格の高騰から現状維持にとどまっている。電話機に対する満足度は、端末のスペックが向上している一方、ユーザーが使わない機能が増えたことや買い替えサイクルの長期化などが影響し、小幅な動きにとどまった。

 通信品質・エリアについては、各キャリアともエリア自体を広げる「面の拡大」に加え、つながりにくい場所に個別に対応する「点の改善」を継続的に行ったことが大幅な満足度向上につながった。非音声機能・サービスは、メール、インターネット情報サービスに対する各キャリアの取り組みが評価され、満足度が改善している。

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 携帯電話サービスで顧客満足を維持し、向上させるには、引き続き通信品質の向上やエリア拡大の取り組みに注力するとともに、非音声機能やサービスの充実、ユーザビリティの向上がキャリア各社に求められると、J.D. パワーは分析している。


 2010年 日本携帯電話サービス顧客満足度調査は、7月末から8月末にかけて、全国の10地域で携帯電話の個人利用者を対象に訪問留置調査を実施。総計7500人から回答を得ている。携帯電話サービスの満足度と利用実態を明らかにすることを目的に実施しており、今回が12回目となる。

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