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» 2011年05月18日 21時47分 UPDATE

ドコモがソフトバンクの接続料で紛争処理申請――“適正な接続料”を試算 (1/2)

ソフトバンクの接続料の妥当性を疑問視するドコモが、紛争処理委へのあっせん申請に踏み切った。総務省が策定したガイドラインに沿ったとするソフトバンクに、検証のための情報開示を求める。会見では独自に試算した“適正な接続料”も公開した。

[山田祐介,ITmedia]

 「数字のところできちっと勝負すべき」――NTTドコモは5月18日、ソフトバンクモバイルの携帯電話接続料に関する情報開示が不十分であるとして、電気通信事業紛争処理委員会へあっせんを申請した。ドコモの会見では、あっせんを申請した背景や、同社が独自に推計したソフトバンクの適正な接続料水準を説明した。

妥当性検証のために情報開示を

 接続料とは、事業者をまたぐ通信サービスを行う際に、事業者間で精算されるネットワーク利用料のこと。携帯電話事業者Aのユーザーが、携帯電話事業者Bのユーザーに電話をかけると、AはBに対し接続料を支払うことになる。

 各社の接続料は年々下がる傾向にあるが、その中でソフトバンクはドコモやKDDIより接続料が高い。ユーザーが2社より少ないこともあり、接続料支出より接続料収入が多い“黒字”の状況だ。「ソフトバンクは自社網の無料通話分を接続料収入で補填しているのではないか」といった指摘もされてきたが、議論は平行線をたどってきた。


photo 会見で示された接続料の推移

 こうした中で総務省は2010年3月、接続料の算出手法などを記したガイドラインを策定。端末シェアが25%を超える「二種指定事業者」であるドコモとKDDIは、ガイドラインに沿った接続料の算出が義務化された。これにより2010年度分の2社の接続料(区域内)は、ドコモが前年度比35.6%減の1分あたり5.22円、KDDIが前年度比27.3%減の6.24円に改定された。

 端末シェアが25%に満たないソフトバンクはガイドラインに従う義務はない。しかしガイドラインでは、二種指定事業者以外も対応するのが適当としている。これを受け、ソフトバンクは2011年3月に2010年度分の接続料を前年度比25.3%減となる7.62円に改定した。同社は「ガイドラインの考え方にのっとって」(同社リリースより)接続料を算出したとしているが、2社より単価が高い構図に変化はない。この水準で精算を行うと、ドコモは150億円の支払い超過となる。

 今回、ドコモはソフトバンクの接続料の妥当性を検証するため、最低限必要な情報の開示を求めたが、ソフトバンクから情報が得られず、あっせん申請に踏み切ったという。ガイドラインでは事業者間で可能な限り情報を開示した上で協議することを適当としており、これを根拠にドコモはソフトバンクへの情報開示を訴えている。

 あっせんは紛争処理の申請としては比較的穏便なもので、ソフトバンクがこれに応じた場合、第3者を交えて両社の間で協議が進められる。

 なお、接続料の低下はユーザーの利用料金の値下げにもつながる可能性があるとも言われてきたが、ドコモはこれまで「接続料とユーザー料金は関連して動いているわけではない」(参考記事)としていた。しかし今回の会見では、値下げ分を原資にユーザー料金の低価格化を図っていくと明言。接続料の低減がユーザーメリットにつながることを強調した格好となった。

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