「電話番号、覚えなくなった」――3日で登録9万人、Twitter通話アプリ「OnSay」にみる通話の未来(1/3 ページ)

» 2011年11月11日 11時54分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo OnSayの画面。Twitterで相互フォローしているユーザーと通話できる

 「番号知らないと電話できないって、不便じゃないですか」

 Twitterで相互フォローしている友人や知人と通話ができる、iPhoneアプリ「OnSay」。同アプリをプロデュースした、ライフツービッツのファウンダー 片山崇さんには、そんな素朴な思いがあった。8月31日に公開された同アプリは、WebメディアやTwitterを介して瞬く間に話題となり、リリース3日で9万ユーザーを獲得。予想以上の人気に、片山さんら開発メンバーは手応えを感じている。

 SNSで人が簡単につながる時代。ソーシャルグラフを使って電話ができれば、もっと便利になる。そう考え今年の1月、思いを共にするウタリ、プロジェクトゼロと開発に乗り出した。収益化の方法は「まだ明確には見えていない」が、それでも「作りたいものを作りたかった」(片山さん)。機能はまだ荒削りで不安定な部分もあるが、iPhoneアプリの修正なども進めつつ、近日中にAndroidアプリを提供することも決め、“日常使い”のできる通話サービスの提供を目指していく。

音声回線や電話番号を使わない、という選択肢

photo OnSayをプロデュースした、ライフツービッツの片山さん

 OnSayを作っている3社は、いずれも若いベンチャー企業だ。年長のプロジェクトゼロは、2005年創業。ライフツービッツとウタリは、まだ設立2年に満たない。ただし、そこにいたのはWebやアプリの開発に10年来身を置くベテランたち。互いの労力やノウハウ、アイデアを持ち寄り、約9カ月をかけ、試行錯誤の末にOnSayを完成させた。

 アイデアの発端を聞くと、「携帯電話を持つようになり、あまり自分の頭で電話番号を覚えなくなった」と片山さんは語り出す。「だったら、電話番号に替わるIDがあればいい。そして、自分が普段使っている連絡ツールが何かといえば、圧倒的にソーシャルメディアだった」

 発案当初はやや「軽いノリ」で技術検証を進めていたが、東日本大震災が起き、「なんとしても完成させよう」と思いが強まった。震災直後、電話がつながらない中でVoIPアプリ「Viber」が使えることに片山さんは驚いたという。日常の利便性だけでなく、非常時のためにも、音声回線や電話番号に依存しないサービスを提供することに意味があると、片山さんは考えるようになった。

 電話は大企業が支えるインフラだが、インターネットとスマートフォンがあれば、若いベンチャーでも通話サービスを提供できる。実際にOnSayの提供をはじめ、片山さんにも実感が湧いてきた。

photo ライフツービッツ 沢田さん

 アプリはP2P技術を活用して通話を実現しているため、サーバへの負担は少なく、設備コストはそれほど大きくない。「現状では片手で数えられる程度のサーバしかありません」と、ライフツービッツ CTOの沢田正さんは話す。

 とはいえサービス開始直後は、急激なユーザー増加のためにシステムがパンクしてしまった。「月間で5万ユーザーの獲得が目標だったが、3日で9万ユーザー。何かの間違いじゃないのかと思った」(片山さん)。新規ユーザーらのログイン処理が集中し、多くがタイムアウトになってしまう状態におちいった。必死でサービスを改修したが、「ログインできない」というユーザー評価がもどかしかったことを片山さんは振り返る。現在は急激なトラフィック増加にも耐えられるサーバ構成となっているという。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月01日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  2. 中国スマホの“iPhone化”が進む理由 模倣を超えた「最適解」、乗り換え促進の「エコシステム戦略」に迫る (2026年04月30日)
  3. 「PayPayカード ゴールド」の特典変更は改悪? 損益分岐点を計算、年間100万〜220万円利用ならお得に (2026年04月28日)
  4. 相互交換が始まった「PayPayポイント」と「Vポイント」のお得な活用法 6月の“ルール変更”にも要注意 (2026年04月28日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  7. ダイソーで550円の「スマートフォン ワンハンドシャッター」はカメラ撮影に役立つ? 「ボタンを押すだけ」がポイント (2026年04月29日)
  8. 「Fitbit Inspire 3」が10%オフ 最適な睡眠をサポートするスマートアラーム搭載 (2026年04月29日)
  9. 3社そろい踏みの「Starlink Direct」 料金で仕掛けるドコモとソフトバンク、先行するKDDIは“サービス”で差別化 (2026年04月25日)
  10. モトローラが「razr 70」シリーズ3機種を発表 「ultra」は7型ディスプレイや次世代のLOFICセンサーカメラを搭載 (2026年04月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年