米Appleの「FaceTime」が特許侵害にあたるという訴訟で勝利し、Appleから3億6800万ドルの損害賠償金を受けることになった米VirnetXが、再びAppleを提訴した。主張する特許は同じだが、対象製品が、発売されたばかりの「iPhone 5」などAppleの新製品に変わっている。
AppleのFaceTimeはビデオ通話アプリケーションで、対応するデバイス間でのビデオ通話が可能となる。AppleはiPhone、iPod touch、iPad、Macなどの製品にFaceTimeを搭載している。
VirnetXはインターネットセキュリティ技術企業で、先に自社が所有する4件の米国特許(特許番号6,502,135、7,418,504、7,921,211、7,490,151)を、AppleがFaceTimeで侵害していると主張。7億800万ドルの損害賠償金を求めてAppleを提訴した。4件の特許には、TARP(Tunneled Agile Routing Protocol)というプロトコルを用い、種類の異なるコンピュータ間で安全な通信を確立するための技術などが含まれる。これに対してApple側は(1)開発時に他に特許があるかどうかを確認しなかった(2)FaceTimeではVirnetXの特許とは異なる技術を用いている などと主張していた。
テキサス州東部地区連邦地方裁判所は11月6日、VirnetXの主張を認め、Appleに3億6800万ドルの損害賠償金の支払いを命じた。Appleはこれに対し、控訴することができる。
11月9日にVirnetXが明らかにしたところによると、同社はテキサス州東部地区連邦地方裁判所で、再度同じ特許を根拠にAppleがFaceTimeで特許侵害していると主張した。該当製品は「iPhone 5」、第5世代のiPod touch、第4世代のiPad、iPad mini、最新のMacなどAppleの新製品。これらの製品は発売日の関係で最初の特許訴訟には含まれていなかったという。
Virtexは9月、米国際貿易委員会(ITC)でもAppleを相手に同じ特許訴訟を申し立てており、ITCで特許侵害が認められた場合は、該当製品の米国への輸入禁止を求めることができる。これに対しITCは10月、再調査を開始することを明らかにしている。
VirnetXはこれまでにも大手企業を相手取って特許訴訟を起こしており、2010年にはMicrosoftを特許訴訟で訴え、結局Microsoftは和解金として2億ドルを支払った。
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