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» 2013年01月29日 00時51分 UPDATE

「本格的な利益拡大フェーズに入った」とKDDIの田中社長――第3四半期は増収増益

「予定していた通期営業利益目標の5000億円は確実に上回る見通し。3M戦略がモバイルと固定の競争力強化を促進している」――。第3四半期に増収増益に転じたKDDIの田中社長は、今後の利益拡大に自信を見せ、通期目標を上方修正した。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏

 「予定していた通期営業利益目標の5000億円は確実に上回る見通し。3M戦略がモバイルと固定の競争力強化を促進している。しっかり結果が出ている」――。KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は、増収増益を達成した第3四半期の業績を、こう振り返った。

 KDDIの第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比2.5%増の2兆7106億円、営業利益が前年同期比3%増の3956億円で増収増益となり、売上高は過去最高を記録。10月〜12月の連結営業利益も、前年同期比40%増の1643億円に達するなど、大幅な伸びをみせた。

sa_kd23.jpgPhoto 第3四半期の決算概況

3M戦略が奏功し、利益拡大フェーズへ

 好調な業績を支えるのは、固定サービスとセットで申し込むことでスマートフォンの月額料金を割り引く「auスマートバリュー」。3M戦略の一角を成す、この割引施策による契約数が順調に伸びており、このサービスを通じたauの契約数は第3四半期で285万、固定サービスの契約数は166万に達した。通期目標に対する進ちょく率は、auが90%、固定の契約数は前倒しで達成済みであるなど、顧客基盤の拡大が順調に進んでいる。

 田中氏は、auスマートバリューによる契約数は、さらなる拡大が期待できるとみる。それはこの割引施策が、家庭内連鎖による契約獲得につながる可能性を秘めているからだ。auスマートバリューで固定サービスに加入し、家族の1人がauユーザーになると、ほかの家族がauのスマートフォンを使い始めた場合も月額料金が割り引かれる。家族で利用すれば月額利用料を節約できるため、契約拡大につながりやすいというわけだ。

 auスマートバリューはスマートフォンとFTTHの新規契約の獲得に貢献しており、スマートフォンの新規契約に占める割合は33%、auひかり(FTTH)の新規契約に占める割合は48%に達しているという。

Photo auスマートバリューが契約数の拡大に貢献
Photo 家庭内連鎖による契約増が見込める

 3M戦略のもう1つの核となる「auスマートパス」も、スマートフォン向け定番サービスとして定着していると田中氏。auスマートパスは、スマートフォンを利用するのに役立つ「アプリ取り放題」「クラウドストレージ」「クーポン/ポイント」「セキュリティ」の4分野のサービスをまとめて月額390円で提供するもの。加入者数は2012年12月末に398万に達し、1月には400万を突破。契約率はスマートフォン購入ユーザーの83%に達している。

 同社は上位サービスとして、定額使い放題のコンテンツサービス「ビデオパス」「うたパス」「ブックパス」も提供しており、auスマートパスユーザーのアップセルも期待できる。こうした施策で、付加価値ARPU(コンテンツARPUと決済手数料)の底上げを目指す考えだ。

 このような3M戦略の効果でモバイルと固定の通信料収入が増加したことと、前年の下期に発生していた周波数再編コストが解消されたことなどが3Qの増益につながった。特にモバイルの通信料収入の推移について田中氏は、「これまで下落傾向にあったが、2Qで上昇に転じ、3Qで前年同期を上回った。これは収入の源泉になるものでうれしいニュース」と、手放しで喜んだ。

Photo 3Qの営業利益増の要因
sa_kd39.jpgPhoto モバイル、固定ともに通信料収入が拡大

 KDDIでは、純増数やARPUの伸びが好調であることや、今後の成長ドライバーとして期待されるモバイルの通信料収入が3Qに前年同期比でプラスに転じたことなどを受け、通期業績予想の売上高と営業利益を上方修正した。

 連結売上高は期初予想に対して500億円増の3兆6300億円、連結営業利益は50億円増の5050億円に修正。さらにauスマートバリューの獲得目標をau契約数で50万増の360万、世帯数で45万増の200万にするとともに、au純増数を32万増の242万、端末販売台数を60万増の1100万に引き上げた。スマートフォンの販売台数目標は45万増の800万台としている。

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