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» 2013年02月21日 09時00分 UPDATE

O2Oでトップを目指す:立ち寄るだけで店からポイントをもらえる――ドコモのO2Oサービス「ショッぷらっと」

買わなくても、立ち寄るだけで店からポイントをもらえる――。NTTドコモが、スマートフォンを活用したリアル店舗向け集客プラットフォーム「ショッぷらっと」のトライアルサービスを開始した。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo 音波を使って“10メートル圏内の情報配信”に乗り出すドコモの「ショッぷらっと」

 買わなくても、立ち寄るだけで店からポイントをもらえる――。NTTドコモが、スマートフォンを活用したリアル店舗向け集客プラットフォーム「ショッぷらっと」のトライアルサービスを開始した。AndroidとiOSに対応し、どのキャリアのスマートフォンでも利用可能。8月末まで、東京都内のショップを中心に試験サービスを実施。8月以降、本サービスを提供する計画だ。

 ショッぷらっとは、ネット上の情報を通じてリアル店舗に消費者を誘導するO2O(Online to Offline)の活性化を目指してドコモが提供するプラットフォーム。スマートフォンの普及で人々がネットにアクセスする機会が増え、ショッピングの際にネットで調べてからものを買う人が増えていることから、O2Oサービスの提供に踏み切った。

 プラットフォームの説明に立ったNTTドコモ スマートコミュニケーションサービス部 オープンサービス企画担当部長の斎藤剛氏は「この事業領域(O2O)は、まだ完成したモデルができあがっているとは言い難く、勝者が存在していない。それならドコモがやってみようということでサービスを企画した。やるからにはトップを目指したい」と意気込んだ。

sa_d2992.jpgPhoto ネット市場の規模が10兆〜20兆規模であるのに対し、リアル店舗の市場は200兆規模とはるかに大きい。スマートフォンの普及で、「接点の場としてネットの世界があり、実際に店舗に行ってそこから購買と決済を促す世界が注目されている」と斎藤氏は話す

チェックインするだけでクーポンをもらえる

 ショッぷらっとは、専用アプリをインストールしたスマートフォンを持った消費者が店舗にチェックインすると、買い物をするしないにかかわらず、スターと呼ばれるポイントをもらえるサービス。ショッぷらっとアプリをダウンロードし、性別と生年月日、郵便番号を入力してドコモIDへの登録を行うと、サービスを利用できる。

 例えば、渋谷に行ってアプリを起動し、近くの店を検索すると、スターをもらえる店舗の一覧が表示される。行きたい店を選ぶとセール情報や商品情報、クーポン、住所などが表示され、その店のサービス内容を把握できる。その店に着いたら、アプリ画面の右上に表示されるスターボタンを押すことでスターを獲得でき、その店で買い物をする際にはクーポンを利用できる。

sa_d2997.jpgPhoto ショッぷらっとサービスの概要と来店者のメリット

 ドコモの調査によると、リアル店舗の販促担当者からは(1)新規顧客の獲得に高いコストがかかる(2)来店者にもっと店舗内を回遊してほしい(3)来店者の属性情報を取得したい といった声が挙がっているという。ショッぷらっとに期待を寄せ、いち早く対応を図った東急百貨店 常務執行役員の上根弘之氏も、「現状では、今、渋谷に来ているお客様や、店内を回遊しているお客様に対するアプローチの手法を持ち合わせていない」と話すなど、ネットを利用したリアルタイムの情報配信に期待する声は多い。

 ショッぷらっとはこうした店舗の課題を解決し、来店者にもメリットをもたらすと斎藤氏。ネットを通じて来店を促すだけでなく、「ターゲットと時間を設定したお得情報を配信して、来店者の回遊を促すこともできる。(運用に伴って)蓄積されるデータを分析することで、きめ細やかな情報配信やお得情報を設定できるようになれば、より集客を増やせるのではないか」と自信を見せた。

 店舗側の利用料はトライアル期間中は無料で、本サービスでは、システム利用料と来店手数料をドコモに支払うことになる。料金水準については、プラットフォームをインフラとして広げていくことを重要視していることから、中小店舗でも導入できる価格帯を考えていくという。

 導入店舗は、サービス開始時点で177店舗をそろえ、3月末までに300店舗以上、2013年度には1000店舗以上で展開できる見通しとしている。

 将来的には、蓄積されたデータを活用したビッグデータビジネスの展開も視野に入れていると斎藤氏。同社は従来からの得意分野であるデジタルコンテンツだけでなく、リアル商材の取り扱いも進めており、O2Oやビッグデータの取り組みを強化することで、「究極のパーソナライズを実現できる世界」を目指すという。

sa_d3014.jpgPhoto 消費者、店舗、プラットフォームを提供するドコモのそれぞれがメリットを享受できるO2Oサービスの構築を目指す

sa_d3015.jpgPhoto 今後は既存サービスとの連携を図るとともに、ビッグデータビジネスへの参入も目指す

回線ビジネスからIDビジネスへ

 これまでドコモは、モバイル回線の契約数を増やし、回線利用とそれにひもづく付加サービスの利用料で収益の拡大を図ってきたが、今後は付加サービスをdocomo IDベースに変えていくことで収益の拡大を図る考えだ。

 docomo IDはすでに、ソーシャルゲームサービスの「dゲーム」で他キャリアユーザーの登録に対応しており、ショッぷらっとも登録にdocomo IDを採用している。同社社長の加藤薫氏も決算会見の囲み取材で、今後、自社サービスのキャリアフリー化を検討していくと話しており、こうした流れは加速しそうだ。

photo ショッぷらっと

チェックインの仕組みに音波を採用

Photo ショッぷらっとの仕組み

 チェックインの仕組みには、NFCやFeliCaといった近距離無線通信技術ではなく、10メートル圏内でのチェックインを可能とする音波を採用している。

 これは、店の中でFeliCaポートの場所を探さなくても、“店に入ってアプリのボタンを押せばチェックインできる”という、利便性の向上につながっている。

 音波といっても、利用するのは人の耳では聞き取れない高い周波数のもの。店内に設置した音波装置からはID情報(装置ごとに異なる)入りの音波が発信され、店内に入ったスマートフォンが音波を受信するとアプリ側で処理を行い、ネットワークを通じてサーバに情報を送信する。サーバ側でチェックイン情報が確認されると、端末にポイントが付与される仕組みだ。

 ほかにも、来店者を識別しながら安全なチェックインができるというメリットがあると斎藤氏。この技術は、ビー・ユー・ジーと共同で開発したという。



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