ついにスタート電力自由化、迫る改正FIT法、水路に見た可能性ーー2016年記事ランキングスマートジャパン 記事ランキング2016

早いもので2016年もあとわずか。今年もエネルギー業界ではいろいろな動きがありました。本稿では2016年に掲載したスマートジャパンの記事ランキングとともに、1年間のトピックを簡単に振り返ります。今年もスマートジャパンをご愛読いただきましてありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします!

» 2016年12月28日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 早いもので2016年もあとわずか。今年もエネルギー業界ではいろいろな動きがありました。最も大きな動きといえば、4月から電力の小売全面自由化がスタートしたことでしょう。本稿では2016年に掲載したスマートジャパンの記事ランキングとともに、こうした1年間のトピックを簡単に振り返りたいと思います。まず、ランキングはこちら!


 1年間で最も読まれたのは、2017年4月から変わる再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」について解説した記事でした。やはり再生可能エネルギー事業に大きな影響を与える固定買取価格制度の変更には、大きな注目が集まりました。12月に入り、2017年度の詳しい買い取り価格案も固まっています。買い取り価格が下がる中で、どのような事業運営を行っていくかは、今後の課題となるでしょう。

 再生可能エネルギー事業に関するニュースでは、こちらも2017年4月から施行されることが決まっている「改正FIT法」に関する記事が8位にランクインしました。適切な発電所の管理が行わなければ、事業停止の可能性も示唆されるなど、事業者に与える影響は大きなものがあります。それに伴い、太陽光発電所の運用保守の重要性に、あらためて注目が集まったのではないでしょうか。スマートジャパンでは9月に改正FIT法のポイントを解説するセミナーを開催しましたが、2017年も事業者の方の疑問や不安の解消に役立つコンテンツやイベントを実施していく予定です。

 2016年の1番のトピックといえば、4月からついに電力の小売全面自由化がスタートしたことではないでしょうか。5位にランクインしていますが、2016年1月に東京電力が新しい電気料金プランの発表したのを皮切りに、参入各社がさまざまな電気料金プランを発表。こちらでまとめていますが、中には「その発想はなかった!」といってしまうようなユニークなプランを提供する新電力もあり、ついに電力自由化が始まったんだなという実感がありました。一方、電力自由化に水を差したかたちになったのが、自由化を支えるスマートメーターに関する問題です。3位には東京電力のスマートメーターの設置遅延を報じた記事がランクインしました。大きな影響を与えたデータ通知遅延に関する問題は収束の兆しが見えてきましたが、完全解決は2017年に持ち越される見込みです。早期の解決を願いたいところです。

 将来の実用化や今後の普及が期待されるさまざまなエネルギー関連製品を紹介した記事にも注目が集まりました。個人的に今年印象的だったのは、4位と7位にランクインした、小型の小水力発電機です。日本には多くの用水路がありますが、こうした小さな水路でもエネルギー源として活用できる小水力発電機に大きな可能性を感じました。

 この他、9位には積水化学工業が開発を進めている熱電デバイスの記事がランクイン。本記事で紹介しているように、こうした未利用熱で発電する熱電デバイスの実用化が着実に近づいています。現状では捨てられてしまっている未利用熱をエネルギーとして再利用できれば、大きな省エネ効果が見込めます。センサーなどの自立電源用途としても期待されており、将来はさまざまな場所にこうした熱電デバイスの利用が広がっていくのではないでしょうか。

 10位にランクインしたのは、日立造船が開発を進めている全固体電池について解説した記事です。電気自動車の高性能化や、分散電源社会の実現に向けて、性能の高い次世代蓄電池の開発が活発になっています。エネルギーをより効率的に活用していくためにも、蓄電池のさらなる低コスト化や高性能化には今後も期待したいです。

 今年もスマートジャパンをご愛読いただきましてありがとうございました。そして、新年も引き続きよろしくおねがいいたします。

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