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» 2017年05月24日 10時00分 UPDATE

改正FIT法で激変、これからの太陽光発電事業で押さえるべきポイントとは

2017年4月から施行された改正FIT法で、太陽光発電事業は大きな転換期を迎えている。全ての発電所を対象に詳細な事業計画の策定や、運用保守が義務付けられた。改正FIT法への対応とともに、売電ロスを減らし、長期的に安定かつ安全に事業を運営していくためにはどういった点に注意する必要があるのだろうか。太陽光発電事業に詳しいLooopにポイントを聞いた。

[陰山遼将,PR/スマートジャパン]
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 2017年4月から新しい「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」、いわゆる“改正FIT法”が施行され、日本の太陽光発電事業を取り巻く環境は大きな転換期を迎えている。オーナーに対して運用保守を義務付けるなど、従来にない大幅な制度変更が行われており、正しい対応を行わない場合、事業の認定そのものが取り消されてしまう可能性もある。新規や既設、事業規模を問わず、「知らなかった」では済まされない、太陽光発電に関わる全てのユーザーに大きな影響がある法改正という認識が必要だ。

 こうした大きな環境変化が進む中で、太陽光発電所のオーナーや関係者は今後の事業をどのように考え、具体的にどういった対応をしていけば良いのか。太陽光発電事業のプロフェッショナルであり、運用保守の専門家でもあるLooop EPC事業部 O&M事業部の末永展行氏に聞いた。

「設備認定」から「事業計画認定」へ

Looop EPC事業部 O&M事業部の末永展行氏

 末永氏は改正FIT法が施行された背景について、こう述べる。「従来、太陽光発電はよく“メンテナンスフリー”だといわれていました。しかし近年、大規模なものも含め、太陽光発電所に関する事故が多く報告されるようになり、その認識を改めなくてはならない状況になっています。そこで経済産業省は、事故が発生した際に詳細な報告を義務付けるなど、段階的に安全対策の強化に向けた施策を推進してきました。こうした背景があり、最悪の場合は認定取消という強いペナルティを設けるなど、いよいよ本格的に“発電所を安全かつ適切に運用していく”ということを強く求める政府の意向を反映したのが、2017年4月から施行された改正FIT法です」(末永氏)

 末永氏が改正FIT法のまず抑えるべきポイントとして挙げるのが、事業認定方法の変更だ。固定買取価格制度を利用するために必要な経済産業省への手続きが、「設備認定」から「事業計画認定」へと変わった。新規案件の場合、先に電力会社との接続契約を締結し、その上で経済産業省が公表している「事業計画策定ガイドライン」に沿った詳細な事業計画認定を提出しなければ事業を開始できない。これは既に稼働している発電所も対象となる点に注意が必要だ。新たに事業計画を策定し、提出することが義務付けられている。

 提出する事業計画は、さまざまな項目ごとに、具体的な内容を盛り込まなくてはならない。末永氏は「従来の制度では、事業計画について詳細な規定はありませんでした。しかし改正FIT法では『企画・立案』『設計・施工』『運用・管理』『撤去及び処分』といったように、太陽光発電事業の全てのプロセスに対し、詳細な計画や費用の見積もりまでを織り込むことを求めています。また、高圧の場合であれば、電気主任技術者を選任し、“専門家の視点”による事業計画を策定する必要があります。従来のように、系統連系前に稼働試験を行えばよかった時とは全く状況が変わりました。事業の初めから終わりまで、全体の計画をしっかりと考える必要があるのです」と解説する。

「事業計画認定」の概要 出典:経済産業省 資源エネルギー庁

義務化された運用・保守

 先述したように提出する事業計画の中には、「運用・管理」の項目が設けられている。すなわち、これまで発電所の運用保守を検討していなかったオーナーやユーザーであっても、対応が必須になったということだ。

 事業計画策定ガイドラインの中では、保守点検および維持管理の手法やスケジュール、さらには人員配置などの実施体制などまでを具体的に定めるべきとしており、手法に関しては民間団体などが作成したガイドラインの参照を推奨している。適切な保守点検や維持管理がなされていない場合、認定が取り消される可能性もある。

 ただ、こうした太陽光発電所の運用保守は、改正FIT法に対応するという以外にも重要な側面がある。長期にわたる太陽光発電事業の事業採算性を高められるという点だ。末永氏は「運用保守を行うということは安全性を高めるだけでなく、発電量を安定的に確保し、事業採算性を高めることにも大きく寄与します」と述べる。また、ガイドラインでは4年に1回の点検およびメンテナンスの実施を義務付けているが、売電ロスを回避するという観点では、最低でも年に1回は点検することが望ましいという。

 その背景にあるのが、定期的に専門家が点検を行わなくては見つけ出すのが難しいトラブルが増えているからだ。再生可能エネルギーの固定買取価格制度が始まったのは2012年。それに伴い多くの太陽光発電所が建設されたが、稼働してから数年が経過する発電所も増えてきている。Looopは太陽光発電の運用保守サービスを手掛けているが、末永氏によると設備の経年劣化によって、さまざまなトラブルが発生している太陽光発電所が急増しているのだという。「FITがスタートしてしばらくは、太陽光パネルの破損といったトラブルが多く見られました。しかし最近では、PVコネクターの接触不良による焼損など、経年劣化による故障が急増しています」(末永氏)

経年劣化による設備トラブルの事例が増えている 写真提供:Looop

 こうした経年劣化によるトラブルの厄介な点は、単にパワコンなどの遠隔監視を行っているだけでは把握できない場合があることだ。「ケーブル類の経年劣化によるトラブルは、パワコンの遠隔監視装置を導入していても捉えきれない場合も多くあります。また、ケーブル類だけでなく、稼働から数年が経過して太陽光パネルが発電不良を引き起こしているという事例も見られます。これは製品の初期不良やロット不良に起因していることもあり、稼働してから数年たってから不具合が顕在化することも多いのです。クラスタ不良とよばれる不具合の場合、単にストリングス監視を行っていても分からないことがあるので注意が必要です。ある6MWクラスの太陽光発電所では、1年目の定期点検で100枚近い不良が確認されたこともありました。遠隔監視だけでなく、これからは目視による現場の点検を定期的に行っていくことが非常に重要です」(末永氏)

 こうした“見えない発電損失”が積み重なると、当然ながら比例して売電損失も増えていく。また、発電損失につながる要因は、電気的なものだけとは限らない。発電所内に茂った雑草で影ができたり、汚れたりしても発電量は低下してしまう。こうした発電ロスにつながる原因を長期間放置してしまう可能性があることを考えると、4年に1回の点検では心配だ。保守費用を考慮しても、最低でも年に1回は専門家に発電所の点検を依頼する方が長期的にメリットを得られる可能性が高い。

損害保険で万が一への備えを

 適切な事業計画の策定と、専門家による定期的な発電所の運用保守。改正FIT法への対応と事業採算性を高めるために、この2点は欠かせない今後の重要なポイントだ。加えて末永氏が“今後のもう1つの重要なポイント”として挙げるのが、保険の観点だ。

 落雷や水没、強風による損傷など、発電所にもし不測のトラブルが発生して設備の交換や修理が必要になった場合、当初は想定していなかった追加の設備費用が発生することもある。加えて設備の交換や修理を行う間は発電ができず、同時に売電ロスも生まれてしまうことになる。こうした万が一のトラブルに備えるために、損害保険に加入する発電所のオーナーが増えているのだという。

 「太陽光パネルの場合は比較的早く交換作業が行えますが、パワコンは使用しているメーカーの調査、交換品の手配などで、1〜2週間は時間がかかってしまいます。また、天災による大規模被害が発生したような場合、復旧に半年ほどの時間を要する場合も珍しくありません。この時にもし何の備えもしていない場合、その全ての費用はオーナー側の負担になってしまいます。実際に天災による損害で不測の追加費用が発生し、当初描いていた事業計画を見直さなくてはならなくなったという事例も出てきています。太陽光発電は長期的な事業です。不測の事態によるリスクを考慮し、経済産業省も事業計画策定ガイドラインの中で損害保険への加入を推奨しています」(末永氏)

 もちろん、こうした天災などによる不測事態によるトラブルを防ぎ、被害を最小限にするためにも、定期的な発電所の点検作業が重要になってくることはいうまでもない。太陽光パネルの飛散につながるネジの緩みや、発電所を設置している土地の状況などは、実際に目視で点検しないと分かりにくいポイントだ。こうした点検を怠ったことで太陽光パネルが飛散し、もし敷地外の施設や住宅に損害を与えてしまった場合、損害賠償に発展する可能性もある。こうしたトラブルを引き起こさないためにも、定期的な点検と万が一に備える損害保険は、今後の太陽光発電事業において非常に重要なポイントといえるだろう。

悩んだらまずは専門家に相談

 このように、太陽光発電はかつていわれていた“メンテナンスフリー”なものではなく、正しく運用保守を進めることが安定した事業運営の大きなカギとなっている。そしてこれを後押しする改正FIT法の施行は、全てのオーナーがこれからの太陽光発電事業を安定的かつ安全に進めていくために、現在の事業を見直す絶好の機会だ。

 一方で事業計画の策定など、改正FIT法への対応は複雑な側面もある。運用保守を含め、オーナーが1人で全てに対応するのは難しい。そこで長期にわたって事業をサポートしてくれる、信頼できるパートナーを見つけることが重要になっている。

 Looopでは、太陽光発電所の運用保守サービスを提供しているだけでなく、改正FIT法に対応する事業計画策定のサポートなども行っている。太陽光発電の専門家でありプロフェッショナル企業として、今後の事業に関する悩みを相談でき、解決してくれる心強いパートナーとなってくれるはずだ。「改正FIT法で、自分の発電所はどういった対応を行えばいいのか」「今後の事業計画策定について相談したい」「今の発電所の状況を分析して欲しい」など、改正FIT法への対応や今後の事業運営に関する疑問や不安があれば、ぜひ一度相談してみてはいかがだろうか。

 また、Looopは改正FIT法に完全対応するO&Mのトータルサービス「まもるーぷ」も提供している。「安定した事業運営を行いたいが、運用保守のコストは抑えたい」という太陽光発電所オーナーのニーズに応える安価な価格設定でありながら、定期点検やかけつけサービス、さらには保険までを含んだ、充実のO&Mサービスとなっている。後編では、このまもるーぷのサービス内容について詳しく紹介する。

→後編はこちら「改正FIT法に完全対応、低価格で充実のO&Mサービス『まもるーぷ』」

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提供:株式会社Looop
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月23日

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