この夏広がる? 山の恐怖樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」(2/2 ページ)

» 2010年08月05日 11時30分 公開
[樋口健夫,Business Media 誠]
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 十分に血を飲んだヤマビルは、かんでいるところを離して、コロコロッと地面に落下していく。かまれた人や獣は、しばらくして足元が血だらけになっていることに気づき、仰天することになる。

 吸血中のヤマビルは、引っ張っても容易に皮膚から離れない。強く引くと外れるが、これを見るのはかなりショックが大きい。ヤマビルの口は真ん丸で大きく、肉と血の色の口の周りにはギザギザの歯がいっぱい付いている。宇宙から来たバンパイヤ怪獣という感じだ。かまれた後も、血はドクドクと流れ出る。牙が3つ大きく穴があいている。約10分間は出血が止まらないから、そこら中が血だらけになり余計に怖く見える。

ヤマビルを退治する方法

 ネパールでは、4月の雨季の始まりから、ヤマビルがドッと出てくる。何人かで歩いている場合、ヤマビルは先頭を歩く人には追い付かないが、2人目や3人目はひどい目にあうことになる。ネパール人は、夏の雨季に山歩きする時には腰に塩を入れた袋を持っていき、かまれたら塩をヤマビルに擦りつける。ヤマビルは、カタツムリやナメクジと同じで、塩を掛けられると、水分が出て死んでしまう。塩がなければ、タバコの火を押し付けると、熱さに驚いてかむのを止めるが、同時にお腹の中の血を全部吐き出すこともあり、血の池が生じる。

 ヤマビルは毒は注入しないが、3つの牙のような歯型が傷口にいつまでも残るのも嫌なものだ。山をハイキングするときには、塩、ライター、消毒薬、ばんそうこうなどを持っていくことがよいだろう。

ヤマビルホイホイはいかが?

 5月20日、読売新聞のネット版で群馬県四万温泉のヤマビル騒動についての記事を見かけた。四万温泉協会では、毎日、観光客がヤマビルにかまれないように、塩をまいているという。それなら、アイデアマラソンの発想として、ゴキブリホイホイのような「ヤマビルホイホイ」「ヤマビルキャッチャー」を開発し、全国で公募してはどうだろう。

 国土交通省(観光)、厚生省(薬)などからの支援で、大臣賞を設けて、日本中の大学生が挑戦することを企画しても良さそうだ。「ヤマビルホイホイ」を特許にすれば、世界中に輸出できるだろう。

編集担当より

 小学生のころ、1つ上の学年でヒルを飼っているクラスがあって、生き物係が毎日交代で水槽に腕を突っ込み、自分の血をヒルにやっていたのを思い出しました。あれは気持ち悪かったなぁ……。

お知らせ

 誠 Biz.IDの連載・樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」は次回で終了になります。本連載に代わり、8月からは誠ブログで「読むクスリ」がスタートします。樋口健夫さんの記事はブログで読めるようになりますので、引き続きご愛読いただけますよう、よろしくお願いいたします。


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著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。近著は「仕事ができる人のアイデアマラソン企画術」(ソニーマガジンズ)「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちらアイデアマラソン研究所はこちら



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