――緊急事態宣言を受けて、WeWork Japanとしてはどのような勤務体制をとっていたのでしょうか。
ほとんどの社員は在宅勤務です。一方で、メンバー同士のビジネスのマッチングも担うコミュニティチームは交替で勤務して、各拠点に必ず誰かはいるようにしています。
――コミュニティチームは、具体的にはどのようなことをしているのですか。
メンバー同士の接点ができるように、各企業が関心を持っているテーマのイベントも企画しています。イベント以外でも、直接お声がけしてつなぐ場合もあります。コミュニティチームによるマッチングは、メンバーにとってもWeWorkの醍醐味の一つではないでしょうか。
――実際にビジネスにつながった事例はありますか。
積極的に利用していただいている企業の1つが大日本印刷さんです。スタートアップのFULLLIFEさん(本社、東京)と大日本印刷さんが持つ「溶けない!?アイス」の技術を活用して、イベントで知り合ったビックカメラさんと店頭でのコラボレーションイベントを開催しました。
大日本印刷さんはアサヒビールさんとも「アイスボーールを活用したBEER DROPS」の商品開発と販売を進めています。アサヒビールさんがイベントを開催したのをきっかけに、その場でディスカッションに発展し、商品開発にまでつながりました。
――緊急事態宣言で利用者が少なくなった期間も、マッチングなどの取り組みは行われていたのでしょうか。
イベントはオンラインに切り替えて、5月だけでも全体で約50回のイベントを開催しました。テーマは幅広く、オンライン飲み会のようなものから、新型コロナ関連の助成金についてのセミナー、それにヨガなどのワークアウトなどもあります。
イベントはもともと各拠点で週3回くらいの頻度で開催していて、緊急事態宣言後、オンラインイベントを本格始動しました。オンラインであれば、参加者同士が物理的に離れている場合や、人数が多い場合にも対応できます。これからは内容や目的によって、オンラインとオフラインをうまく使い分けていきたいと思っています。
――新型コロナに対応する中で、オフィスはこれからどのような役割を果たすと考えていますか。
目的を持ってオフィスに行くといった使われ方が増えていくのではないでしょうか。これまで平日の朝は出社して仕事をするのが大前提でした。ですが、目的がある日だけ出社し、他の日はコワーキングスペースや在宅で働くことを選べるようになっていくと思います。
そう考えると、コロナ禍は大きな変革期ですね。新しい価値を提供する意味ではチャンスだと思いますし、フレキシビリティのあるサービスを提供できるのは私たちの強みだと思います。半年後や1年後に世の中がどうなっているのかは想像がつかない部分もありますが、企業によっては従業員の生産性や満足度とともに、オフィスの柔軟性やコストも大きなテーマになってくるでしょう。
働き方が多様化していくなかで、オフィスも1拠点集中型から、多拠点分散型に変わっていくと考えられます。コロナをきっかけに変化する新時代の働き方を、私たちとしても支援していきたいです。
田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。「スポーツ報知大相撲ジャーナル」で相撲記事も担当。Webサイトはhttp://tanakakeitaro.link/。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)
ITmedia ビジネスオンラインで連載中の「パラリンピックで日本が変わる」。
だが、そのパラリンピックがいつどこで始まったか、知る人は少ない。
そして、パラリンピックの発展に、日本という国が深く関わっていることも、ほとんどの日本人は知らない。
パラリンピック60年の歴史をひもときながら、障害者、医師、官僚、教師、そして皇室の人びとといった、パラリンピックの灯を今日までつなげてきた人日本人たちのドラマを、関係者の貴重な証言から描く。
日本の障害者スポーツ史の決定版。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング