板状のeBook端末「Reader」をなめるように触ってみた:厚さ10ミリ前後の極薄ボディ(3/3 ページ)
ソニーの「Reader」は、2モデルとも厚さ10ミリ前後のスリムボディが特徴のeBookリーダーだ。別売のブックカバーを含め、細かくチェックした。
ブックカバーやソフトキャリングケースなどのオプションを用意
Reader専用のアクセサリーとして、シンプルなブックカバーとライト付きブックカバー、そしてソフトキャリングケースをラインアップする。ブックカバーの表面にはReaderロゴ、裏面にはソニーロゴが刻印され、ツートーンのしゃれたケースに仕上がっている。5型モデルはブルー、ピンク、グリーン、6型モデルはブラック、レッド、グリーンが用意され、ライト付きはそれぞれブルーとピンク、ブラックとレッドの2色構成だ。
E Inkはバックライトを持たず、夜のフライトや薄暗いところでは画面の内容を確認できない。そこで用意されたのがライト付きブックカバーだ。このライト付きブックカバーは、カバーのノド部分にフレキシブルケーブルを備えたランプと単四形乾電池1本を配置し、ランプ部分を持ち上げると自動的に点灯する。点灯モードはハイとスタンダードの2段階で、スタンダード時は約19時間の駆動が行え、ランプを元の位置に戻すと消灯する仕組みだ。
これらのカバーはカラフルで、ボディ内部の磁石を利用することでフラップがバタバタと開閉しないよう工夫が施されているが、ブックカバーで約73グラム(実測値)、ライト付きブックカバーで約156グラム(単四形電池1本込み)と重量がかさんでしまう。
一方、ソフトキャリングケースはReaderをすっぽりと包み込むタイプで、5型と6型共用だ。カラーはでブルー、ピンク、グリーンの3色で、前述のブックカバーを装着したままでは収納できない仕様になっている。価格はブックカバーが3675円、ライト付きブックカバーが5985円、ソフトキャリングケースが2940円だ。
以上、駆け足でReaderの魅力に迫ってみた。現段階では試作機での評価となったうえ、eBookコンテンツを扱うReader Storeもまだオープンしていないなど、総合的な評価は下せない状態だが、国内で再びそしてこれまでになく本格的にeBookを楽しめる環境が着実に近づいているのは間違いない。
ただ、海外でのReaderの展開を考えると、日本ではWi-Fiと3G内蔵の最上位モデル「Daily Edition」が投入されないこと(ホーム画面にある定期購読アイコンは、Readerに通信機能を備えないと真価を発揮できないように思える)、Reader Store開設時のタイトルが2万タイトル以上と控えめなこと、米国でのPocket Editionの価格が149.99ドル、Touch Editionが199.99ドルであることを考えると、日本での予想実売価格がそれぞれ2万円前後、2万5000円前後と割高なことなど、首をかしげたくなる部分もある。しかし、赤外線センサーをパネル左右に備えたタッチパネルは良好な視認性と直感的な動作を両立しており、Kindleにはない体験を味わえる。
Readerシリーズの発売は12月10日の予定だが、同じ月にはシャープからeBookリーダーの「GALAPAGOS」が投入される見込みで、将来的にはGoogle ブックスやKindle Storeの日本オープンなど、続々とプレーヤーが登場する予定だ。そのような中で、まずはソニーが第1歩を踏み出したに過ぎない。同社が従来の轍(てつ)を踏まず、どのようなかじ取りをしていくのか、そしてユーザーや市場がどのような反応を示すのか、興味が尽きない。
eBook USERでは、製品版のReaderを入手でき次第、改めてレビューをお届けする予定だ。
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