武田薬品工業ヘルスケアカンパニーはCSKシステムズの提供するモバイルソリューションで営業活動を可視化し一層の効率化を図る。
導入したのは、CSKシステムズの提供するモバイルソリューション「無線伝心」。武田薬品工業ヘルスケアカンパニーでは、2008年10月から活用していたが、09年4月に機能バージョンアップを行う。CSKシステムズは、武田薬品工業ヘルスケアカンパニーに対し、「無線伝心」システムのシステム設計・開発・構築・導入および保守サービスまでをトータルで提供し、「無線伝心」によって収集される情報をもとに、営業メンバー自身への気付きの提供、およびマネジメントクラスの意思決定を支援していく。
「無線伝心」は、営業メンバーが営業現場から携帯電話で現地状況の報告・日報作成・勤怠入力などを行い、よりタイムリーに生の情報をオフィスで集約管理できるモバイルソリューション。携帯電話の入力画面は、管理者が収集したい情報を自在にレイアウト・設定でき、営業メンバーが報告入力する際、訪問先の検索に位置情報を活用したり、活動報告に携帯電話のカメラ機能で撮影した店頭陳列写真を付けて送信したりすることも可能だ。サーバに集約したさまざまな報告情報や勤怠情報は、関連システムと連携することにより、企業活動の生産性向上に寄与するという。
武田薬品工業ヘルスケアカンパニーの営業メンバーは、ドラッグストアなど小売企業や卸売業者に対して営業活動を行っているが、旧来のSFAシステムでは活動状況を的確かつ効率的に確認することができず、ターゲット先に対して十分な活動が行われているか否かなどの把握が困難な状況だったという。この課題を解決する手段として、「無線伝心」を導入することにより、営業活動をより「見える化」することが可能となり、ターゲット先に対する適切な経営リソース配分にもつなげられるようになったという。
武田薬品工業ヘルスケアカンパニーでは約4カ月間の使用を経て、定着にかなりの時間を要すると想定していたが、大きな混乱もなく比較的スムーズに移行が図れたことや、これまで見えにくかった営業活動(ターゲット先のカバー率、外勤・内勤時間のウエイト・店頭陳列状況など)が、より正確かつ定量的に確認できるようになったことなどを評価しているという。
近年、高齢化社会を踏まえた消費者のセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること)への意識向上により、一般用医薬品(OTC医薬品)に対する期待も高まりつつあるが、一方で健康食品やプライベートブランド・ショップブランド商品の普及や、医薬品メーカー・ドラッグストアなど小売企業や卸売業者による統合・資本業務提携により、OTC医薬品業界はかつてない厳しい競争にさらされている。また、09年6月の改正薬事法施行に伴い、流通環境も大きく変化してくことが予想されている。このためOTC医薬品メーカー各社は、より一層、迅速かつタイムリーな経営判断が必要となっており、前線の営業活動の情報を可視化することは、重要に施策として位置付けられている。
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