Webと実店舗の共食いを超えた先キラーウェブを創る(6) 良品計画(4/4 ページ)

» 2009年06月28日 08時00分 公開
[前野智純,ITmedia]
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失敗がキラーウェブを育成する

 技術の進歩は、斬新なマーケティングの手法を生み出していくが、それによって本質が変わることはない。以前、大正か昭和初期ごろの古文書から、ネズミを捕まえる道具を売り込む文章が出てきたと、あるコンサルタントから聞いたことがある。今で言うダイレクトメールだ。その文章は、今のダイレクトマーケティングのノウハウがそのまま生かされている教科書のようなものだったという。

 人間が介在する以上、本質はそう変化するものではない。そして成功には方程式は存在しないが、失敗にはある。万人に共通する成功法はないが、「失敗法」は多くの人に当てはまる

 であるならば、最新の手法を学ぶ前に、たくさんの事例を頭にインプットすることが、自社のサイトをキラーウェブに育てる近道ではないか。成功事例の陰には、斬新な手法こそ少ないが、本質的な共通項があるかもしれない。規模の大小や業種を問わず、多くの事例に共通するものも存在するかもしれない。これまでの連載で取り上げてきた事例は、執筆から2年が過ぎているが、その本質は少しも変わるものではないと感じている。

 手法に目を奪われることなく、本質を見つけてほしい。それは、本連載で取り上げてきた、数々の失敗を糧にする執念や徹底した顧客満足の追求、自社だけが持つ強みを徹底的に掘り下げる戦略、Webの利点を生かし切るコンテンツ――といった要素だといえる。大事なのはこれらのファクターを、自社のケースに当てはめることだ。それが今のサイトをキラーウェブへと成長させていく。

著者プロフィール:前野智純(まえのともずみ)

前野智純

エクストラコミュニケーションズの代表取締役。「キラーWebでNo.1をつくる」をテーマに、コンサルティングやプロデュース、マーケティングなど各種Webサービスを提供している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「キラーウェブがキラーカンパニーを創る」で、Webマーケティング関連の記事を執筆中。著書には「キラーウェブ」 「Webプロデュースのプロが教えるサイト集客のツボ」などがある。


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