ブロガーになったのも大きな転機でした。Notesばかりでブログの存在もそれほど知らなかったですし、自分には関係ないと思っていましたので。
学生時代、作文、論文は最も嫌いなものの1つでした。読書感想文はあとがきを読んで写していたぐらいでしたから、英語と同じくらい嫌い。でも本もあらかた読みつくして電車の中でやることがなくなっていて、何かないかと探していたところにブロガーの松尾さんから誘われたのです。通勤車中でやることができますし、文章を書くことが苦手でしたから、上手くなりたいなと思いまして。
人間の楽しみとは、「できないことが、できるようになる」ことが1番ではないか、と思います。そして、その結果がカッコよければさらに良い。わたしは音楽も苦手で、学校で1番嫌いなのが音楽の時間でした。でも文化祭でバンドやってる連中がいて、そのカッコいいこと、モテること。
そこで、1番簡単そうに見えたドラムをやることにしました。実際には難しかったのですけれど、モテましたよ〜(笑)。ホントにモテました。生涯あんなにモテることはもうないだろう、というぐらい。
できないことが、できるようになる。そういうところに生きがいを求めるのは、みんな同じではないでしょうか。正直わたしも、「できないかも……」と内心はあきらめそうになることもあります。でも自分はあきらめていないと自分に言い聞かせるのです。あきらめずに頑張っている人はみんな、カッコいいですしね。
誰にでも、いろいろなチャンスが、いろいろなときに訪れていると思います。新しいことへのチャンスは、実は周りにちょこちょこ隠れていたりします。それをまずは、チョッとつかんでみればいいと思うのです。準備して、気合いを入れて、「さぁこれをやろう」というのではなくて、チョッとつかんでみる。
すると何かが出てくるかもしれません。ダメだったら、ごめんなさいってまた元に戻せばいいわけですから、取りあえずチョッとつかんでみるのが重要ではないでしょうか。とにかく「1歩踏み出す」こと。あとは何かのスペシャリストになる努力をすること。人と同じだけ努力してもかなわないのなら、人の10倍努力すればいい。
失敗はしょっちゅうですよ。でも価値の無い失敗だと思ったことはありません。もともと、そして今でも、基本的には底辺の人間ですので、落ちることに関しては心配していません。いまがたまたま少しだけ上がっているだけ、という感覚です。上がったものは必ず落ちるわけですから、またそこからチョッとづつ上げていけばいいだけだと思っています。
強気なようですけれど、内心はクヨクヨすることもあります。でもクヨクヨしないように演じていれば、クヨクヨしないでいられるかな、と思います。クヨクヨしている人ってカッコ悪いでしょう? あと他人にブツブツ文句を言うとか。
わたしの基本は今でも「カッコいい=やる気スイッチ」と「苦手克服=達成感」。家でも女性3人に囲まれていますので、彼女たちの前でカッコいいお父さんでいたいのです。なかなか難しいのですけれど、カッコいい大人になりたいと思う気持ちが、今のわたしの支えになっているのかもしれません。
若い人にも、「カッコいい」というレベルでいいので、自分なりのスイッチを見付けて新しいことにチャレンジしてほしいと思います。
IT会社のお父さん
コラボレーション、Web2.0を中心としたビジネスに関わっている。
ITmedia オルタナティブ・ブログ『けんじろう と コラボろう!』に書いた、「学校裏サイトで娘が実名で攻撃され、父としてメールを送ってみた」がキッカケとなり、子どものネット利用に関する執筆活動も行うようになる。
著作
オルタナティブ・ブロガーインタビュー『オルタナティブな生き方』バックナンバー
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