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ウィジェットマーケティングの核を突け浮上するもう1つの企業メディア(2/2 ページ)

» 2009年11月17日 16時30分 公開
[竹下直孝,ITmedia]
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3.Operation――利用者への継続的なリーチを意識する

 ウィジェットマーケティングの実施に当たり、企業はコンテンツの初期設計やコンテンツ、機能の作り込みなど、ウィジェットを提供するまでのプロセスに目が向きがちだ。だが、ウィジェットをリリースした後のプロセスもバランス良く見ていくことが求められる。

 具体的には、ウィジェットが目標値通りに利用者に届いているかを調べることだ。魅力的なウィジェットを作っても、利用する人がいなければマーケティングとしては失敗だ。

 例えば、「自社のアクティブユーザーにウィジェットを使ってもらう」ことを目的としている場合、自社サイトにウィジェットを露出しているか、ダウンロードまでの導線を確保しているかといった点を意識しよう。また「潜在顧客へのリーチ」が目的なら、自社サイトに加え他社を活用した配布ルートも確保しておかなければならない。

4.Check――次の行動につながるデータへの意識を高める

 最後のステップは効果測定だ。現在ウィジェットを配布している企業のほとんどは、ウィジェットがもたらすマーケティング効果を計測できていない。これは、ウィジェットが誕生した当時、その役割をデジタルノベルティ(オマケ)と位置付けていたことに起因する。だが、ウィジェットを企業メディアと見立て、投資対効果までを詳細に判断するなら、効果測定は必須となる。ウィジェットを作って配布したら終わり、ではなく、ユーザーの利用状況を把握して定期的に機能やコンテンツを更新していく。このたゆまぬ努力こそが、高いマーケティング効果を生み出すのだ。

 ウィジェットによる効果測定が可能な項目は、「デモグラフィック属性」「サイコグラフィック属性」「広告的な指標」「差異による指標」などだ。ただしすべての項目が必要というわけでもない。目的に応じて取捨選択をすればいい。次の行動につなげるために必要な効果を測定する、という視点が何より重要だ。


 ウィジェットマーケティング成功の鍵を握るのは、構成する4つの項目のサイクルを継続して回していけるか否かだ。そしてウィジェットを自社メディアとして育成し、継続的に運用していくことは、利用者とのタッチポイントの拡大につながるだけでなく、投資対効果という面でも大きな成果をもたらす。

 最終回では、ウィジェットの今後のトレンドも踏まえながら、国内市場で2010年に向けて注目されるウィジェットのプラットフォームを紹介したい。

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著者プロフィール:竹下直孝(たけしたなおたか)

竹下直孝(たけしたなおたか)

2001年にソニーに入社。2005年に社内の有志数人で「新しいネットメディアの開発」をコンセプトに、ウィジェットサービス「FLO:Q(フローク)」プロジェクトを発足。現在、サービス全体で約20万人の登録会員を抱えるサービスに育て上げた。最近では新たなウィジェットのプラットフォームとしてmixiを活用した「mixiアプリ」をリリースしている。


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