キヤノンは8月20日、コンパクトデジタルカメラ「PowerShot S90」を10月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は5万円前後。
ブラックでカラーは統一されているものの、ボディ全体はしっとりとしたマット調、天面にはレザートーン、操作部には縁取りと各所で異なる処理を施し、高級感の中にも、見る角度によって表情を変える意外性を盛り込んだ。
鏡胴の付け根部分には新たな操作インタフェース「コントローラリング」を搭載。ズームレンズをズームさせるようにリングを回転させる動作で、ISO感度やホワイトバランス、焦点距離切り替え、セルフタイマー設定などをスピーディに行える。ISO感度は80から3200まで1/3段ごとに調整可能だ。背面のコントローラーホイールと組み合わせることで、より快適な操作が行える。
コントローラリングを利用した操作の中でもユニークなのが、焦点距離切り替え機能。本製品は35ミリ換算28〜105ミリ F2.0-8.0の光学3.8倍ズームレンズを搭載するが、コントローラリングに焦点距離切り替えを割り当てておくと、ダイヤルを回転させるだけで28ミリから105ミリの間で28/35/50/85/105ミリと5段階の画角に切り替えることが可能となっている。モードダイヤルにはP/Av/Tv/M/Cとデジタル一眼レフカメラでお馴染みの項目が用意されており、コントローラリングと組み合わせることで、撮影者の意図に素早く応じた撮影が行える。
撮像素子は同時発表された「PowerShot G11」と同様の1/1.7型 有効1000万画素CCD。ノイズ発生の少ない高感度センサーとなっているほか、画像処理エンジンの「DiGiC 4」も今年上半期製品から改良が進められており、ノイズリダクション性能を高めている。この高感度センサーとDiGiC 4の組み合わせにより、同社では最大2段分のノイズ低減が可能になったとしており、これを「くっきりクリアフォト」と呼んでいる。
主要な撮影機能としてはPowerShotの春モデルを踏襲するが、シャッターボタン半押し状態でもピントと露出を合わせ続けるサーボAF/AEや、撮影時にカメラが自動的に最適な設定を適用する「こだわりオート」も適用シーンが18から22に増加するなど強化点も多い。ボディサイズは100(幅)×58.4(高さ)×30.9(奥行き)ミリと小柄ながら、HDMI(ミニ)も搭載。撮影した画像をテレビへ映し出すこともできる。
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