iPadは約680グラム。ノートPCと比べると軽量だが、片手で持つにはやや重く、それだけにiPadを設置できるマウンタとなるとそれなりの強度と工夫が求められる。
スリーエスキューの「モバイル・スタンドZ」は、この強度とともに“iPadのさらなる活用例”を広げられそうな工夫を盛りこんだiPadスタンドだ。最大165センチまで伸びるアームと4つのヒンジ、iPadを設置するマウンタで構成されている。好みの位置で固定できるヒンジ機構により、ホルダーの位置や向き、角度を自由に調整できるのがポイントで、スタンドを床置きしてプレゼンテーションで資料を表示するようなビジネス用途、ソファに座って/ベッドで寝ながら操作するといった家庭内用途、そして企業の受付や病院、学校といった公共的な場所でキオスク端末のように使用する──などの用途が想定されている。
まずはマウンタをチェックしよう。ステンレス製マウント面はiPadとほぼ同じ面積で、幅と厚さをかなりの範囲で調整できるホルダーが上下左右の辺それぞれに備わっている。マウンタの中央とホルダーの裏にコルクシートが張られ、裏が曲面のiPadもキズが付かないよう配慮されている。ホルダーの調整範囲が広いため、iPadは純正のiPadケースはもちろん、適当なケースを付けたままでも設置できるほか、工夫すればノートPCなども搭載できるのがポイントの1つだ。最大2.5キロまでの重さの機器を設置できる。
本体は、正方形の台座に4本のフラップを装着して床に置く。フラップを付けた台座はかなり重く、マウンタに想定重量以上の機器を乗せ、アームを真横に伸ばす──など極端なスタイルで使わない限り、安心して利用できる“どっしり”した安定感がある。床にキズを付けず、スタンドの存在をある程度隠せる緩衝カーペットも2枚付属するので、必要に応じて利用したい。
アームの位置は、各ヒンジのS字ネジを緩めて好みの角度で調整できる。内部にギアがあり、ネジを締めるとギアもきっちりかみ合って角度が固定される仕組みだ。なお、最上部のネジはマウンタと干渉しないよう、(メガネレンチ利用時のように操作する)特殊なナット機構が使われている。こういうところは“職人さん手作り”ならではのていねいな仕事っぷりが感じられる。
ガッチリ設置できる──ということで、クルマで試すとどうなるだろう。
マウンタの位置をかなり自由に調整できる特徴をフル活用し、“静止画としては一応それなり”に見えるよう配置できた。アームを伸ばすことで後部座席用の動画ビュワーとして応用できてしまうのもよさげだ。
ただ、最大の課題は、スタンドベースの設置をどうするかだ。今回はひとまず置いてみただけで、正直、ガッチリと固定はできていない(もちろん、このまま走行するなど怖くてできない)。上海問屋の万能車載PCアーム「DN-ARM521」(レビュー:ゴールデンウィークはクルマに乗って何かしよう、みたいな──万能車載PCアーム「DN-ARM521」)に付いていたマウントベースを利用して工作しようかとも考えたが、かなり困難。スミマセン、あきらめました。
ともあれ、iPadを車載するとなると微妙に大きくて……。どこに置くか場所に困りませんか?
かなり大げさだが、重量がそれなりにあり、つくりがしっかりしているのは好印象。それだけにやや値が張るので、遊び/プライベート用に「今、必要か」──と問われると「そうですねぇ……」と答えざるを得ないなぁ。
iPadをベッドで寝ながらラクラク──を望んでいた人にはよさそう。角度をガッチリ固定するので、安定感・安心感がある。半面、ちょっとした位置の移動がしにくかったりする。例えば、さっとどけられるようなクイックリリース式のマウンタなどがあればより便利に使えそう(スタンドの根本で横回転はできるが)。
会社の受付にこういうスタイルでiPadが置いてあると、「おおっ」と思ってしまいそう。iPadを内線システムなどと組み合わせたりして。あと、ビジネス用途としては、(かっこよさそうなので)プレゼンテーションで1度は使ってみたい。
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