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» 2011年12月21日 15時00分 公開

麻倉怜士のデジタル閻魔帳:年に一度の総決算! 2011年「麻倉怜士のデジタルトップ10」(後編) (4/4)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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第1位:4K×2Kプロジェクター&ディスプレイ

麻倉氏:2011年のデジタルトップ10、第1位はやはり4K×2Kの登場ですね。市場に出た製品では、ビクターの「DLA-X90R」が画素ずらしを使った4Kで、ソニー「VPL-VW1000ES」は実画素のシネマ4Kという違いはありますが、これからの大画面視聴に4Kは必須といえるでしょう。

ソニー「VPL-VW1000ES」(左)とビクターの「DLA-X90R」(右)

 現在のフルHDの次に何があるかといえば、2020年に実験放送が開始されるスーパーハイビジョン(SHV)ですが、2K(フルHD)と8Kの間に4Kがあるべきではないかという指摘があります。一方、4Kのコンテンツは存在しないのに必要なのか? という意見もありますが、大きなスクリーンにフルHDでは解像度が足りません。アップコンバートで情報量を増やすことで、より精細な映像が楽しめるのが素晴らしいです。

 私は4K×2Kプロジェクターで「サウンド・オブ・ミュージック」を見たとき、劇場のスクリーンで見たときの記憶がフルHDでよみがえったと思いました。それが何かというと、細かいところの確かな情報量、細やかな階調性、そして1段上の質感表現です、同じフルHDでも、巧みにアップコンバートと超解像を与えるならここまで再現できるのかという驚きがありました。

東芝の「55X3」(10月のCEATEC JAPANで撮影)

 この「サウンド・オブ・ミュージック」は8Kで収録した映像を4Kで編集し、2Kのパッケージ(BD)にするという逆ピラミッドの作り方をしていますが、4Kプロジェクターはそんな4K的なフレーバーをうまく実画面に表示してくれます。ビクターの技術者によると、4K編集のBDには細かいディティールが入っていても2Kではどうやっても再現できない。それを超解像技術で拾い上げるのだそうです。

 では、4Kプロジェクターでは4K編集のコンテンツしか適していないのかといえば、必ずしもそうではありません。ソニーで試聴した際、以前NHKのBS hiで放送した松田聖子さんの「赤いスイトピー」を見たところ、Dレンジ的にも白の伸び、栗色の髪の階調性も出ていて、現実味をともなって視聴することができました。4Kマスターの作品だけではなく、通常のハイビジョン映像でも4Kプロジェクターなら新しい体験ができるのです。

 4K×2Kには、東芝の液晶テレビ「55X3」もあります。55V型という小さな画面ですが、“レグザブルーレイ”と組み合わせた場合は、プレーヤーとディスプレイが超解像技術の役割分担をしてさらに情報量を増やすことができます。4Kはスタートしたばかりでさまざまな技術が登場しています。中には東芝のように1+1を2ではなく、3以上にする技術もあります。新しい時代のAVに対する期待も込め、今年の「デジタルトップ10」第1位には4Kを推薦したいと思います。

  2011年デジタルトップ10
第10位 Blu-ray 3D「塔の上のラプンツェル」
第9位 ヤマハ「調音パネル」
第8位 ペンタックス「PENTAX Q」
第7位 Blu-ray Disc「山猫」
第6位 フォステクス「G1302MG」
第5位 アキュフェーズ「DP-900」「DC-901」
第4位 日本コロムビア 音匠仕様シングルレイヤーSACD
第3位 オリンパス「OLYMPUS PEN E-P3」
第2位 ソニー「HMZ-T1」
第1位 4K×2Kプロジェクター&ディスプレイ
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