ハイアール アジアが10月29日に正式発表した「R2-D2型移動式冷蔵庫」(型番:ASR-RD6E)。プロジェクターを搭載し、より本物らしくなった実物大「R2-D2」の魅力に迫ってみよう。
「ASR-RD6E」は、映画「スター・ウォーズ」に登場するロボット(ドロイド)「R2-D2」を、ルーカス・フィルムおよびディズニー監修のもと、1/1スケールで忠実に再現した冷蔵庫だ。姿形はもちろん、移動する様子や頭部を回しながら音と光で話すところまで映画と同じだ。
30年来のスター・ウォーズファンである伊藤社長は、以前「R2-D2」の実物大レプリカを購入しようと商品を探したことがあった。しかし、見つけた商品は1万5000ドルと「さすがに出せない」と断念。「それなら、もっとすごい物を作っちゃおう」(伊藤氏)と考えたことが、「ASR-RD6E」開発のきっかけになった。
そのこだわりは細部にまで及ぶ。本体は、ステンレス製の骨格にABS樹脂の外装、そして一部亜鉛ダイキャストを用いて作られた。また“塗料業界のフェラーリ”といわれる武蔵塗料と協力し、オリジナルと同じ色と質感を実現。バッテリーとモーターを内蔵して時速約1キロメートルで移動できるようにした。満充電なら、約2時間の走行が可能だという(負荷のない状態の場合)。
付属のリモコンでは、移動に加えて頭部の“演出”を起動できる。頭部の演出は、光の色や頭部の動き(左右回転)の違いで10パターンが用意されており、いずれも映画に出てくる「R2-D2」の動きを再現。ボタンを押すたびにランダムに選択される仕組みになっている。
頭頂部には、安全に配慮して「緊急停止兼電源ボタン」を備えた。製品担当者によると、「伊藤(社長)はここに『ポップコーンストッカーを付けたい』と言っていたのですが、やはり約50キロもある移動式冷蔵庫です。安全性にも配慮しなければなりませんので、緊急停止ボタンにしました」と話している。さらに室内の段差による転倒や落下を防ぐため、本体の前後にセンサーも設けた。
胴体部分には、ツインバード工業との協力によりペルチェ式の保冷庫を搭載。容量は6リットルで、缶ビールなら6本(350ミリリットル缶)、ペットボトル(500ミリリットル)は2〜3本を収納できる。なお、内蔵バッテリーで動作している間は保冷機能が働かないため、R2-D2の中に飲食物を長時間にわたって入れておきたい場合は付属のACアダプターを使う必要がある。
頭部のプロジェクターは、レーザーダイオードを光源にした、いわゆるピコ・プロジェクター。輝度は最大32ルーメンとホームプロジェクターとしては低いが、白い壁などに映像を映し出すことができる。解像度は1920×720ピクセルの720pで、コントラスト比は8万:1。1メートル程度の投影距離で40インチ、1.5メートルなら60インチの大画面が楽しめる。なお、プロジェクター機能はバッテリー動作中でも利用できるという。
映像は無線LAN(Wi-Fi)を使って伝送する。「ASR-RD6E」はMiracastをサポートしており、Android 4.2以降のスマートフォンから「Miracast for Android」を使ってコンテンツのストリーミング再生や画面のミラーリングが可能だ。Miracastはソースデバイスとディスプレイを1対1で接続するWi-Fi Directに対応しているため、家にWi-Fiのアクセスポイントがなくても利用できる。
ハイアール アジアでは、10月29日の正午から「ASR-RD6E」の予約受付を開始している。価格は99万8000円(税別)とキャラクターグッズとしてはもちろん、冷蔵庫としてもかなり高価だ。「一体ずつ手作りになるので仕方ないですね」(伊藤氏)。
決して安くはないが、シリアルナンバー入りの数量限定販売となる「R2-D2型冷蔵庫」は、スター・ウォーズファン垂涎のアイテムになるだろう。購入者には、新作映画の公開にあわせ、12月中旬から随時出荷される予定だ。
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