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「"感動"を提供するプレミアムな製品を」――ソニー、平井一夫社長CES 2016(2/2 ページ)

» 2016年01月07日 09時56分 公開
[小山安博ITmedia]
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テレビには“ソニーだけの技術”を投入

 そして最後に発表されたのがテレビの「BRAVIA」シリーズ。現在のトレンドであるHDR機能に関して、「4K HDR」ロゴを制定してその機能をアピールする。そしてこの4K HDR対応テレビとして「X93D」シリーズを発表。Androidを搭載したスマートテレビで、4Kエンジン「X1プロセッサ」、広色域技術「TRILUMINOS Display」などを搭載。さらに新し「Slim Backlight Drive」技術を搭載している。

新製品のテレビはHDRがポイントの1つ。それをアピールする独自ロゴとして4K HDRを作った
4K HDR対応のBRAVIAとして、「X93D」シリーズを投入

 Slim Backlight Driveは、従来は直下型LEDバックライトでしか実現できなかった細かい部分駆動を独自のアプローチで可能にした新しいバックライトシステム。これにより、高画質化と薄型化を両立させたという。また本体背面ではケーブルをまとめることができるため、ウォールマウントと組み合わせると美しくテレビを設置できるとしている。

薄型を実現し、壁掛けでも美しい点をアピール
背面のケーブルをまとめることができる

 Android TVとして、さまざまなインターネットコンテンツを視聴できるが、新リモコンとUIで操作性を向上させたほか、40言語対応の音声検索機能も搭載した。

UIは動画配信サービスも利用しやすい形だという

 さらに、直下型LEDバックライトの新技術として「Backlight Master Drive」技術を紹介。多数の直下型LEDを高密度に実装することで多分割部分駆動を実現したうえ、ピーク輝度を向上させる「X-tended Dynamic Range PRO」とあわせて4000nitの超高輝度を実現したという。「一般的なTVは400nit程度」とFasulo氏。「高輝度の映像を表示しながら、ブラックもしっかりと再現できるソニーだけの技術だ」と強調した。

新技術となるBacklight Master Drive。商品化はまだ検討中だという

 コンテンツ配信として4Kの映画やテレビをストリーミング配信する「ULTRA」も用意する(米国)。今回発表されたX93Dシリーズをはじめ、Android TVプラットフォームのBRAVIAに対応する。

4K HDRコンテンツのストリーミング配信にも対応したULTRA

 CESの前日プレスカンファレンスでは、韓国のSamsungやLGもテレビ製品を発表し、さらにスマートフォンとIoTとしての白物家電の連携にも言及した。一方のソニーには白物家電がないことに対して、Life Space UXによるホームエンタテインメントの提案という部分での独自色を打ち出しているという印象だ。

 ただ、スマートフォンやカメラの新製品がないなど、発表内容に寂しさを感じることに加え、IoTのように家庭内の機器をネットワークと連携させる新たな提案がないことが気がかり。平井社長のいう“感動”をどこまで実現し、どこまでユーザーに伝えられるか、今年1年の大きなポイントとなりそうだ。

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