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ダイソン「ピュア クール リンク」を2カ月使って分かったこと山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(2/2 ページ)

» 2016年08月12日 18時13分 公開
[山本敦ITmedia]
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アプリに追加してほしい機能

 最大の課題として感じているのは、この頃アプリで空気の状態をモニタリングできる機能を段々使わなくなってしまったことだ。購入して間もない頃は空気質のモニタリングに夢中になって、一日何度もアプリを起動しては室内の空気質の変動に一喜一憂したものだが、だんだん飽きてきてその習慣が失われつつあることにふと気が付いた。理由は色々と考えられるが、最大の要因はピュア クール リンクはとにかく回しておけば、いい感じに室内の空気をキレイにしてくれることが分かってきたので、あとは細かいことを気にしなくなるからだ。

 ユーザーを飽きさせないための工夫について筆者なりに考えてみたのだが、まずはアプリに空気の状態をプッシュで通知する機能を付けるべきだろう。マンネリ化してくると、アプリを立ち上げる回数が減ってくる。だから、スマホに室内の空気の現状を時間帯ごと、またはキレイではなくなってきたタイミングで知らせる機能があれば、スマホアプリでファンの強さをアップしたり、一日の中で効果的にピュア クール リンクを動かすための作戦を練ろうという向上心が沸いてくる。

アプリから日ごと/週ごとの運転成果をグラフ化してチェックできる。これが1画面に1日、1週間ぶんしか表示できないので、マルチ画面表示で前後比較ができるようになるとより空気をキレイに保つための作戦を練りたくなってくるはず

 空気清浄の結果は現在、日ごと、週ごとの単位でグラフ化して、過去に翻って読み取ることができる。このグラフをマルチウインドウに散らして並べ、前の日、前の週と比べて見られるようになれば、空気の質を良く保つため、ピュア クール リンクを上手に効率よく使う作戦についても思いが巡るようになるだろう。サードパーティーが提供する天気予報の情報もアプリに取り込むことができれば、「今週末は黄砂が多く飛びそうだから気をつけよう」といった具合に、あるいは「明日は夕方頃に空気が湿りがちになるので、空気清浄を忘れずにかけよう」といった具合に、生活に役立つ便利な情報を参照するためにもアプリを立ち上げる機会が増えるはずだ。本機を購入したユーザーが、買った当初に盛り上がった「空気質への関心」を持続させるためのモチベーション作りにもメーカーがより積極的に取り組んでほしい。

屋外の空気質の情報はビッグデータ分析のエキスパートであるBreezoMeterのサービスから提供されている。わが家の前は緑あふれる公園なのに、「きれい」と表示されることが非常に少ないことに納得が行っていない。ある程度広い町内のどのポイントでデータを計測しているのだろうか。反対に世界的にあまり空気の質が良くないといわれている街を調べてみると、コンスタントに「きれい」に近い値が示されることもある。不思議だ

消費電力は軽微だが確認する手段もほしい

 ほかにも節電しながらピュア クール リンクを活用するためのアドバイスもあればうれしい。筆者は本機を購入以来、平均で1日10時間以上は空気洗浄機能をかけ続けながら生活している。ところが、毎月電力会社から送られてくる料金明細の額はピュア クール リンクを導入する前後でそう大きくは変わらない。本機をかけっぱなしにしても、月々の電気代にかかる負担は軽微であると言えそうだ。

 でも、年間単位でランニングコストを算出すると結構な金額になっているのでは? と考え始めると少々不安にもなる。例えばピュア クール リンクを効率的に動かしながら、空気清浄と節電の効果が同時に得られたら最高だ。現在アプリにはピュア クール リンクの稼働時間をグラフ化できる機能が実装されているが、こちらにもう一つ消費電力の変化が見えるような項目を加えたい。時間軸で変わる空気質に対して、どのタイミングで空気清浄機の出力を上げれば、1日を通して空気をキレイな状態に保つことができるのか、シミュレーションしてくれる機能が付いていればなお頼もしい。

 現状で不満に感じる点もあるが、総合的に考えれば筆者はピュア クール リンク導入の効果を、今のところは期待以上のものに感じている。おかげで今年の猛暑は比較的涼しく乗り越えられそうだ。デザインも購入時にはサークル形状のテーブルファンと比べて悩んだが、最終的にタワー型にしたことで部屋のコーナーのわずかなスペースに設置できているので、良い選択だったと思う。今後もアプリのアップデートなどにより機能の改善・拡充が図られることを期待しながら、使い続けてみたいと思う。

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