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ヤマハがHi-Fiアンプに“自動音場補正機能”を搭載した理由

» 2017年07月26日 14時26分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ヤマハは7月26日、さまざまな音楽ソースに対応したネットワーク対応アンプ「R-N803」を発表した。ステレオのHi-Fiアンプでありながら初めて自動音場補正機能の「YPAO」を搭載したモデルだ。シルバーとブラックの2色を8月下旬に発売する。価格は11万円(税別)。

「R-N803」

 YPAOは、Yamaha Parametric Room Acoustic Optimizerの略。マイクを使って部屋の音響特性を計測し、不要なピークやディップ、レベルバランスを整えるなど理想的なリスニング環境を作り出す。AVアンプではすっかりお馴染みだが、これまでHi-FI用途のステレオアンプに搭載したことはなかった。YPAOの有用性は確かでも、「DSP処理が音質の劣化を招くという意見があった」からだ。

 今回、あえて採用した理由について同社では、最新のYPAOが64bit処理となり、音質面への影響が抑えられた点を挙げた。「音質面の差が縮まり、Hi-Fiアンプでもリスニング環境の最適化が行えるようになった。R-N803ではヤマハのAVレシーバーに使用されているものと同じDSPチップを用い、64bit EQ処理を行う。音響特性を整え、音像の定位にも一役買う」(同社)

付属のマイク

 なお、R-N803のYPAOはサブウーファーを加えた2.1ch構成まで対応しているほか、室内の初期反射音を精密に計測、制御する「YPAO-R.S.C」(Reflected Sound Control)、コンテンツ再生中の音量変化に合わせて自動的に高音域と低音域のレベルを調整する「YPAO Volume」といった機能もサポートした。

最新機能を詰め込んだ多機能レシーバー

 R-N803で楽しめる音楽ソースは多彩だ。アナログレコードプレーヤーを接続できるフォノ入力端子(MM)をはじめ、ワイドFM対応のAM/FMチューナー、テレビやBlu-ray Discプレーヤーと接続するための光/同軸デジタル入力、USB-DAC機能用のUSB Type A端子。さらにBluetoothやWi-Fiも備え、Spotifyやradiko.jpといった人気のストリーミングサービスにも対応した。操作は専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」で行う。

ブラック

 内蔵のDACチップは8chタイプの「SABRE 9006AS」。ネットワークオーディオ再生ではDSD 5.6MHz、192kHz/24bitまでのPCM(WAV、FLAC、AIFF)を再生可能だ。Apple Losslessは最大96kHz/24bitとなる。内蔵アンプの出力は120W+120W。

アルミヘアライン加工のフロントパネルでプリメインアンプと同様の高級感を演出

 外形寸法は、435(幅)×151(高さ)×392(奥行き)mm。重量は10.8kg。

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