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» 2004年01月13日 20時14分 公開

フレキシブル基板【ふれきしぶるきばん】Mobileキーワード

多機能化と共に、薄型軽量化も必須である携帯電話。小型化やデザインの自由度を高めるために、利用されることが増えているのが「フレキシブル基板」だ。技術者の間では「フレキ」と通称されることもある。

[江戸川,ITmedia]

 フレキシブル基板は、柔軟性を持ったプリント基板のことで、FPC(Flexible Printed Circuits)とも呼ばれる。プリント基板の折り曲げが可能なことから、実装スペースの限られる携帯電話やデジタルカメラなどの小型製品に多用される。宇宙開発、航空、軍事用などに使われてきた技術で、1970年代になり一般的な製品にも転用されるようになった。

 プリント基板というのは、ガラスエポキシなどの電気絶縁体を素材とした板に銅箔の電気回路をプリントしたもので、部品などを実装し稼動状態にあるものを指す場合もある。いずれにせよ、製品本体のサイズはこのプリント基板のサイズに左右されるため、複数の基板を積み重ねる多層構造にしたり、小型の基板同士を配線で接続するなどの工夫がとられてきた。

 フレキシブル基板は、米国デュポン社の開発したポリイミドを使ったポリイミドフィルムなどを絶縁板の代わりに用いることで、基板自体に柔軟性を持たせている。ポリイミドフィルムは耐熱性、電気絶縁性に優れたプラスチックの一種で、銅箔の回路やカバーフィルム、補強材などとともにフレキシブル基板は構成される。

 だが、ポリイミドフィルムは決して柔軟性に優れているわけではない。むしろ硬く加工しにくいもので、本来のニーズを満たしていなかったのだが、その剛直性が幸いした。熱や吸湿に対する寸法安定性の高さが着目されたのである。携帯電話用のフラッシュメモリをフィルム上に連続実装する際に、フィルム自体に適度な硬さが必要になるという。

 携帯電話においては、折りたたみ部分や、液晶周辺に限って用いられてきたが、最近では小型化やデザインの自由度を高めるために、基板全体に対するフレキシブル基板の占める割合が大きくなってきている。

FPCの断面図(図版:http://www.nok.co.jp/seihin/image/fcirc_a.gifより)
携帯電話に使われるフレキシブル基板(図版:http://www.nok.co.jp/seihin/image/fboa_1.jpgより)

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