ケータイにHTMLメールは受け入れられるか〜「デコメール」

» 2004年01月28日 17時40分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 近日発売予定のFOMA 900iシリーズでは、「デコメール」「最大500Kバイト iアプリ」「着モーション」「100Kバイト Flash」「キャラ電」の計5つが各端末共通の新機能として搭載される(2003年12月18日の記事参照)。

 その一つである「デコメール」について、各社端末のメニューインタフェースの違いをチェックした。

 デコメールは、PC用のメールでいう「HTMLメール」にあたる。メール本文にHTMLタグを埋め込むことができるため、文字サイズや色、画像の挿入など多彩な表現がiモードメールで可能になる。

「デコメール」で利用可能なデコレーションメニュー 挿入されるHTMLタグと属性 備考
文字色 FONT COLOR="色"
文字サイズ FONT デコメールでは小(size="1〜2")、中(size="3")、大(size="4〜7")の3種
点滅 BLINK
テロップ MARQEE BEHAVIOR="scroll"
スウィング MARQEE BEHAVIOR="alternate"
文字位置 DIV ALIGN 左寄せ:ALIGN="left"
中央:ALIGN="center"
右寄せ:ALIGN="right"
ライン挿入 HR COLOR="色"
画像挿入 IMG SRC="画像" ※インターネットへの接続は不可
背景色 BODY BGCOLOR="色"
その他要素
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リンク A HREF="リンク" http://,https://,mailto:,tel:
HEAD ヘッダー
META http-equiv="Content-Type"(固定)
content="text/html; charset=Shift_JIS" (固定)
HTML

デコメールメニューのインタフェースにひと工夫見られるSH900iとF900i

 900iシリーズのデコメールは根本機能こそ同一だが、デコレート操作を行うためのメニューインタフェースには各社若干の違いがある。

 基本的なメールの装飾操作は、

(a) デコレート設定内容を決める→その設定内容のまま文章を記入していく

(b) 文章を記入する→デコレートしたい文字を選択→デコレート操作を行う

 と大きく分けて2種類の方法がある。(a)は例えば、“文字色を全部真っ赤に”など単純なデコレートのみを行うときに使う。この単語は“点滅”、ここからここまでを“文字色を黄色”でかつ“文字サイズを大”に、真ん中に“ライン挿入”で、最後にお気に入りの“画像を挿入”などというようなやや複雑なデコメールを作成する場合は(b)の方法をとる。

 メールメニュー最上段には「デコレーション」とあり、デコレート作業はここから選んでいくようなインタフェースに見えるが、このメニューは上記(a)の方法にしか使えない。ドコモ説明員は、これは「これから入力する文字をデコレートするためのもの」という。

 すでに入力された文章をデコレートする(b)では、「デコレーション」メニューを選んだ後、メニュー2階層目にある「デコレーション変更」を用いる。文字の始点終点を範囲選択し、選んだ部分だけをデコレートするは、いちいちメニューをたどらなければならない。

 ちなみに、前回選んだメニューを記憶してくれた機種(P900iなど)であれば若干はましだが、デコレート設定するためにカチカチカチと[↓]キー(あるいは複数のショートカットキー)で選んでいく必要があるのはあまりスマートな入力方法ではないと感じた。

デコレーション設定 デコレーション変更→始点終点の指定→デコレートスタイルの選択と操作する

 そんな中、工夫されているのは「SH900i」と「F900i」だ。

 SH900iは、デコレートスタイルを見た目で判別できるショートカットキー付きアイコンが画面下半分に表示される。これを見ながら数字キーで「デコレーション変更」+「デコレートスタイル選択」に相当するショートカットメニュー操作が可能だ。

 「操作の分かりやすさは最重要開発事項の一つ。デコメールを利用する主なユーザーを想定して、ひと工夫加えた。メール用途が主な人はきっと使ってくれるはず」(シャープ)ということだが、今回のデモでは現在開発中の一つ前バージョンだという。発売時にはより進んだものになるかもしれない。

SH900iのデコメール用アイコンメニュー 番号キーと連動したショートカットキーが設定されており、見た目にも分かりやすいインタフェース。もちろんソフトキーからデコレーション変更→デコレートスタイル選択という、メニュー形式の選択も可能

 F900iは、4つのソフトキーの動作内容が画面に表示されており、「デコレーション」「範囲選択」のメニューも常時表示されている。併せてメール記述部分の上部にデコレートスタイルのアイコンが並び、最初からデコメール作成を想定したインタフェースになっている。

 特に「範囲選択」時には、カーソルで始点を選択、[→]キーを何度か押して終点まで選択、という従来の選択方法に加えて、[↑][↓]キーで1行丸ごと選択することも可能。キー打鍵数を少なくできるような工夫が目立っていた。

F900iのデコレーションメニュー メール作成画面上部に表示されているデコレートスタイルのアイコンメニュー。スタイル変更は「範囲選択」→「デコレーション」ソフトキーにより容易に行える

PCでは敬遠されることの多い「HTMLメール」だが……

 「HTMLメール」といえば、悪意あるスクリプトなども埋め込み可能なこと、メーリングリストなどでは特に嫌がられる、などの理由でPCメールソフトでの受信時はHTMLメールを展開しない、送信する場合は機能OFF(HTML形式ではなくテキスト形式に固定)などの設定を行っている人も多いと思う。

 また、デコメールはHTMLタグの分パケット量が増加するのも忘れてはならない。パケットを抑えるがための“省略文字”としても多く利用されている絵文字とも違うデコメール。果たして“ケータイではスタンダード”な機能に育っていくのだろうか。

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