“携帯電話に無線LAN”の可能性〜Nokia 9500CeBIT 2004

» 2004年03月19日 19時12分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 Nokiaのビジネス向け多機能携帯電話「Communicator」は、今回発表の「9500 Communicator」でシリーズ4作目となる。現行の「9210シリーズ」から機能は大幅に向上し、Nokiaのフラッグシップモデルの名に恥じない端末に仕上がった。

閉じると電話、開くとPDAになるNokia 9500

機能が大幅に向上〜キーボードも押しやすく

 通信方式はGSM900/1800/1900または850/1800/1900MHz対応の2モデルとなり、実質3バンド対応のワールドワイドモデルとなった。パケット通信はGPRS(最大53.6kbps)に加えEDGE(最大236.8kbps)に対応。一方でHSCSD(回線交換方式、9210では最大40.2kbpsに対応)は非対応となり、データ通信がパケット通信の時代になったことを物語っている。また無線LAN(11Mbps)を搭載したことで、携帯ネットワークを介さずにネットへのアクセスが可能になっている。

 搭載しているOSはSymbian OS 7.0で、Nokia Series80 Platformを採用。内蔵メモリは80Mバイト、拡張スロットはMMC。液晶はメイン、背面ともに6万5000色となり、表現力が格段にアップしている。また本体底面にはVGSサイズのカメラを内蔵。静止画に加え動画の撮影にも対応した。

 デザイン面にも大幅に手が加えられた。一番の違いはキーボードの形状。現行の9210シリーズのキーは1つ1つが独立したゴム系のもので、入力時にはやや押し込みが必要。9500のキーは板状で、左右のキーとの間隔もなくなり、クリック感も浅くなった。そのため9210よりも入力がしやしくなっており、長文入力時には威力を発揮しそうだ。また上下左右の方向キーは円形状のものとなり、背面部分も同じデザインを採用。9500のちょっとしたアクセントになっている。

キーボード部分は改良が図られ、押しやすい板状のものになった

 サイズは148×57×24ミリと、9210よりやや小ぶりになったのに加え、背面部分には同社の7610のような光沢感のある素材を採用。高級感のある仕上がりになっている。

閉じた状態では普通の携帯電話となんら変わりない。VGAのカメラも装備している
左が前モデルのNokia 9210、右が9500。若干小さくなったのが分かる

無線LAN内蔵の可能性

 9500の一番のポイントは、携帯電話であるにもかかわらず無線LANを内蔵していることだろう。ユーザー側から見ればオフィスやホットスポットの無線LANが利用できるメリットは計り知れない。一方携帯電話のネットワークオペレーター側から見ると、データ通信に自社回線を利用してもらえないことは、収益面からあまり好ましくないことだろう。

 しかし現実的にまわりを見渡せば、もはやデータ通信の手段は携帯電話だけの時代ではなくなってきている。また最近のPDAでも、無線LANとBluetoothを内蔵し、無線LAN環境、携帯電話環境(Bluetoothで携帯電話と接続し、ネットへアクセス)の使い分けができるようになっている。

 9500ではW-CDMAへの対応は見送られたものの、GPRSより格段に高速なEDGEをサポートしている。すなわち9500のユーザーは、状況に応じてデータ通信時のネットワークを自由に選べるというわけだ。

 

 通信手段は今後も多様化してだろう。将来は「携帯電話だ、無線LANだ」といった区分けがなくなり、両者は融合していくかもしれない。9500の登場は、そんな将来の1つの姿を表しているようだ。

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