加速度センサーとは、加速度、すなわち単位時間当たりの速度の変化を検出するための回路素子。従来は機械式のセンサーが利用されてきたが、現在は半導体を用いた製品が主流になっている。半導体式のメリットは小型で、かつ精密な検出が可能なことだ。
半導体を用いた加速度センサーには、静電容量検出方式のほか、ピエゾ抵抗効果を利用したもの、シリコン結晶異方性エッチングを利用したものなどが存在する。
加速度センサーは、その言葉の響きからすると速度に関する測定を行うのが専門に思われるが、具体的には携帯電話の傾きを測り画面表示を補正する機能や、移動時の揺れ具合から歩数計などに利用されている。ボーダフォンの「V401D」やNTTドコモの「F672i」に搭載されている歩数計機能はこの加速度センサーによるものだ。
加速度センサーは、1軸、2軸、3軸と、軸数によってもタイプが分けられる。3軸センサーは3次元の加速度が検出できるほか、地球の重力(静的加速度)の計測にも対応できる。携帯電話の傾きを検出するのはこの3軸センサーの働きによる。
加速度センサーが使われている身近な例を取り上げると、乗用車のエアバッグシステムが該当する。また、AIBOやASIMOなどのロボットの歩行・姿勢制御、エレベーターの地震探知機などにも加速度センサーが用いられている。
加速度センサーの変わった使い方としては、東芝が販売しているタブレットPC「dynabook SS M200」が挙げられる。内蔵した加速度センサーによって、本体を上下・左右に振るだけでアプリケーションを起動させたり、PCのロックなどが行えるという(2003年12月4日の記事参照)。
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