「パケ・ホーダイ」が始まったものの……

» 2004年06月03日 00時08分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ドコモのFOMA向けパケット定額サービス「パケ・ホーダイ」が6月1日からスタートした(3月24日の記事参照)。携帯電話単体で利用する、Web閲覧やメール、各種ファイルのダウンロードでのパケット利用が、月額4095円の定額で利用できる。

 携帯電話のパケット定額制は、KDDIが「EZフラット」という名称で新通信方式「CDMA 1X WIN」対応端末向けに、昨年11月から導入中(2003年10月の記事参照)。3月末時点で34万3000契約を獲得している(4月28日の記事参照)。

 定額のオプション料金は、KDDIが4410円、ドコモが4095円とドコモのほうが割安。ただしドコモは定額制を利用できるプランに制限を設けており、月額基本料金と組み合わせた最低料金は、KDDIが8820円(EZ WINコース315円含む)、ドコモが1万1287円(iモード料金157円含む)と逆転する。

帯域制限の影響は

 「パケ・ホーダイ」は5月20日から事前申し込みの受付を開始。iモードからも申し込みを行える。編集部のFOMAもiモードからの申し込みで「パケ・ホーダイ」への移行が完了した。

 KDDIの「EZフラット」と比べて、気になるのがそのスピードだ。「EZフラット」がデータ通信用に専用の周波数を利用するのに対し、「パケ・ホーダイ」では音声と同じ周波数を利用する。このためデータ通信のトラフィックに過大な負荷がかかると、同じ基地局を利用する音声通話にも支障をきたすことになる。

 そこでドコモでは「パケ・ホーダイ」利用者に限定し、トラフィックに応じてパケット受信に優先順位を設けることを明示している(3月24日の記事参照)。音声通話や従量制料金でデータ通信を利用するユーザーを優先するということだ(2004年3月の記事参照)。

 試しに「パケ・ホーダイ」サービス開始の初日と2日目(6月1日〜6月2日)に渡り、同一時間帯に「パケ・ホーダイ」契約と「パケットパック60」契約の同一端末(P900i)でiモーション再生などを行い、通信速度の傾向をテストしてみたが、特に大きな変化を感じることはなかった。

 夜間には、iモーションのストリーミング再生時に1〜2度再生が止まることもあったが、これは「パケ・ホーダイ」契約と「パケットパック60」契約の端末の両方で発生する。つまり「パケ・ホーダイ」開始直後のためサーバ側が過負荷になっていたか、単純にトラフィックの多い時間帯であることが原因と思われる。“パケ・ホーダイだから”という症状は今のところ出ていない。

約300Kバイトで30秒、つまり10KBbpsのストリーミング再生でも、夜間になると受信速度が追いつかなくなることがあった。ただしこの現象は、パケ・ホーダイ未加入の端末でもほぼ同様に見られた

まずはヘビーユーザー向けの定額制

 ドコモは「パケ・ホーダイ」を、携帯電話が「生活インフラになるために必要なもの」と位置づけている。KDDIの「EZフラット」も同様だが、こちらは導入に合わせて「EZフラット」専用コンテンツの「EZチャンネル」を用意した。日刊、週刊で配信されるマルチメディアコンテンツや定点カメラによる映像を豊富に提供することで、ユーザーに分かりやすい形で定額制のメリットを提案している。

 対するドコモは「パケ・ホーダイ」に合わせた新コンテンツは提供していない。そのため「パケ・ホーダイ」のメリットを実感できるのは、これまで「パケットパック30」や「パケットパック60」の無料通信分を超えるパケット料金を支払っていたヘビーユーザーということになる。

 もちろんiモードにもiモーション動画を配信するサイトはあるが、日々動画が更新されるようなサイトはほとんどない。筆者が知っているのは「The News」の「iモーションニュース」くらいで、このコンテンツにしても、動画というよりは画像+音声ニュース程度のものだ。

日々更新されるiモーションコンテンツ「The News」の「iモーションNews」

 たしかに「パケ・ホーダイ」は、メールやiアプリのゲームなどで大量のパケットを送受信するユーザーにはメリットをもたらす。特にiアプリの最新ゲームは、プログラムを分割して読み込むなど肥大化する傾向にあり、その恩恵は大きい。

 半面、現状でヘビーにパケットの送受信を行っていないユーザーにはメリットを見いだしにくいのも事実。リッチコンテンツが増え、多くのユーザーが月額1万円以上払って「パケ・ホーダイ」のメリットを実感できるようになるには、まだ時間がかかりそうだ。

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