壊れたら新端末をお届け〜「携帯保険」の仕組みとは?

» 2004年06月28日 13時43分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 愛機をトイレに落とした! そんな万一の事態に役立つとうたうのが「携帯向け保険サービス」だ。トラブル発生後、すぐに契約ユーザーに同一機種を配送してくれる上に、バックアップデータを利用してデータリカバリーまで実現してくれるという。

 米Asurionは、日本での携帯電話向け保険サービスの提供に向け、日本法人としてアシュリオン・ジャパンを設立したと発表した(6月7日の記事参照)。今年秋頃から、保険サービスを開始する予定だ。

 アシュリオン・ジャパンによれば、「携帯電話向けに特化した保険サービスは国内初」。その中身はどのようなものか、同社副社長の清瀬裕二氏に聞いた。

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月額数百円の「掛け金」で安心を保証

 同社の携帯向け保険は、いわゆる「保険金」を受け取るサービスとは少々異なる。清瀬氏が描いて見せるのは、以下のようなサービスだ。

 例えば、同社の契約ユーザーが携帯を使えなくなるトラブルが発生したとする。考えられるのは、不慮の事故による破損や故障のほか、端末の紛失、盗難など。

 ユーザーから通知を受けた同社コールセンターは、「全損かどうか」などの状況を確認し、盗難などの場合は必要に応じて回線停止手続きをとる。

 続いて、代替端末が在庫にないか確認、同一機種があればそれにユーザー番号を移行する。この番号入り端末を、郵送などでユーザーまで届けるわけだ。「トラブル発生から、24時間以内に受け取れるようにする」(同氏)。なお、在庫がない場合は複数の選択肢から、どの端末がいいか選んでもらうこともある。

 一連のサービスは、月々の掛け金を支払うことで保証される。本サービスでどのような価格体系になるかは未定だが、「月額数百円のレベル」(同)という。

データのバックアップサービスも

 もっとも、これでは足りないというユーザーもいるかもしれない。「機種は同じでも、やはり愛機とは違う。中身のデータも元に戻してほしい」――と望む声もあるだろう。

 同社はこうしたリクエストに応えるべく、データバックアップサービスも提供予定。同じく月額数百円になる見込みで、前述の端末保険サービスとも組み合わせられるようにする。

 具体的には、携帯アプリから端末内部のデータを、アシュリオン・ジャパンのサーバに飛ばす。不測の事態に備え、バックアップ用のデータを蓄積するわけだ。アプリは決まった時間に自動起動し、サーバと通信を行うかたち。「前回データとの“差分”だけをサーバに送ることを想定している」(同氏)。

 ただし、実現には壁もある。いくら差分のみとはいえ、定額制ユーザーでもない限り無線であらゆる個人データを送信するのは難しい。また、iアプリ用のJava拡張ライブラリである「DoJa」が、そもそもアドレス帳データへのアクセスを完全には許していないという問題もある。

 とはいえ、BREW 3.0ならこうした問題も解決できると清瀬氏は話す。アプリはこれから開発する段階だが、「3カ月ほどで開発できると考えている」(同)。アプリの完成を待って、秋以降にサービスを開始したい考えだ。同氏は、コピーワンスなどの技術が開発されれば、着メロなどのコンテンツもバックアップがとれると付け加えた。

キャリアと連動を志向

 ユーザーの興味をひきそうな携帯向け保険だが、実は「キャリア向けソリューション」だと清瀬氏は話す。アシュリオン・ジャパンは裏方となり、キャリアが窓口でユーザーに保険加入を薦める……という形式を目指している。

 「ユーザーが端末を買い換えるのは、トラブルがあった時が多い。ここで保険サービスを提供し、ユーザーをつなぎとめられれば、顧客の囲い込みにつなげられる」

 米国では実際に、大手携帯オペレータのVerizonが採用して実績を上げているという。「解約率の低下をもたらし、顧客維持費用の低減などで年間200億円以上の効果があった」。Ernst & Young Entrepreneur of the Year 2001(起業家オブ・ジ・イヤー)に選ばれるなど、成功を収めていると話す。

 「2003年9月には、韓国でも事業が立ち上げられた。既に30万を超えるユーザーに利用されている」

 清瀬氏は、まずは日本で10万契約を目指すと話す。もっとも、これは事業としてペイする人数ではない。損益分岐点を越えるには、100万契約ほどが必要だという。

 「まずは代理店などに話を持っていき、実績を積む。それからキャリアに本採用されれば」と、清瀬氏は青写真を描いてみせた。

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