最近、「premini」で生活に張りが出てきました

» 2004年07月09日 03時53分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 今年はやりのミニミニケータイの代表格ともいえるのが、「premini」(6月24日の記事参照)。おもちゃかと思うような小さなボディで、機能はメールと通話、iモードと、思い切り割り切られている(5月14日の記事参照)。

 世間では大きな注目を集めたが、実はそれほど興味を持てなかった。「もう年だし、小さい画面を見るのはちょっと」「カメラも付いていないし」「ダイヤルキーも大きい方がいいし」……といった理由だ。

 しかしそれはメイン端末として使う場合。FOMAとのデュアルネットワークサービスに加入してサブ端末として使うには、これほど便利な端末はない。

 その昔、ハロを連れ歩いて「生活に張りが出てきました」と言った記者がいたものだが(3月22日の記事参照)、私の場合、preminiが生活に張りをもたらしてくれた。

 普段使っているF900iの閉じた状態よりもまだ小さいpremini

なぜ私がpreminiを?

 私は“電話に出ない”ことで有名だ。そもそも、電話嫌いな上に、カバンの中に入れっぱなしで気が付かないことも多い。首からぶら下げておけば気が付くのだろうが、最近の端末は大きすぎて、そんな気にもなれない。

 あまりにも電話やメールに対するレスポンスが遅いため、「このままでは業務に支障をきたす」と思ったのか、編集長から「preminiを使え」という指令が出たのだ。これなら小さいから身につけて使うだろうという判断だ。

 日記サイトに写真をアップするのにケータイを使っているため「カメラ付きじゃないと困る」と文句を言ったところ「じゃ、デュアルネットワークで使えば」と、切り返されてしまった(7月1日の記事参照)。preminiを使いたい人は世の中にたくさんいるだろうに、よりによって“どうでもいいや”と思っている人が使うハメになったのだ。

 デュアルネットワークは、“FOMAだけではエリアが心許ない”というユーザー向けのサービスで、1つの電話番号をFOMAとPDCとの両方で使うことができる。切り替えは、「1540」に電話してネットワーク暗証番号を入力するだけ。月額利用料は315円と、2回線契約して使うより、かなり割安になる。

 サービス開始当初はPDC側でのメールの自動受信ができず使い勝手がイマイチだったが、昨年9月からはそれも可能になっている(2003年9月の記事参照)。切り替えさえ面倒でなければ、2回線持っているより便利に使えるくらいだ。

普段はpremini、必要なときだけFOMA

 preminiは、とにかく小さい。Gパンのポケットに入れても余裕がある。ただ開発者へのインタビューで語られたコンセプトがあまりにも高尚すぎて(7月1日の記事参照)、首から提げるのはどうもはばかられる。とりあえずポケットに入れて持ち歩くことにした。

 あたりまえだが、電話やメールが着信するとすぐ気が付く。これまでケータイに着信しても出たためしがなかったが、このところビジネスタイムの電話やメールは取り逃さなくなった。これまで“半日遅れがあたりまえ”だった友達からのメールにもすぐに返事を書くようになったため、「失業でもしたんじゃないか」と心配される始末だ。

 携帯電話に“本来の携帯性が戻った”ともいえるpreminiのおかげで、人並みの会社員生活が送れるようになった気がする。心なしか生活にも張りが出てきたようだ。

 出先ではpremini、写真を送りたいときはFOMA──という使い方も、慣れてしまうとそれほど煩わしくない。心配なのは、“preminiがポケットから落ちてなくなるんじゃないか”と思ってしまうほど小さいことくらいだ。

魔性の端末

 使いにくそう──と思っていたpreminiも、使っているうちに妙に気に入ってしまった。「小さいのにがんばってる」感じが、けなげに思えてしまうのだ。

 「小さいからダメ」と思っていたわけではないが、こんなに小さいながら、基本機能はほかのPDCと比べて遜色ない。それが不思議に思えて、つい手にとっていろんな機能を試したくなる。そうしているうちに、愛着がわいてくる──という、“魔性の女”的端末なのがコワい。

 打ちにくいと思っていたダイヤルキーも、クリアキーの位置に違和感を感じるものの、それ以外は思ったより使える。POBoxのおかげで日本語入力も煩わしくない。

 小さいディスプレイは、QVGA表示に慣れた身には見づらいが、出先でメールを確認する分にはそれほど困らない。見づらいほど長いメールならFOMAに切り替えて読めばいいというのもある。

 Webやメール、通話の基本機能はしっかり作り込まれているので、不便に感じることはない。メールの文字サイズは4段階に切り替え可能だ。最初は最大に設定していたが、慣れると一番小さいサイズでも気にならなくなった

premini的アプローチに期待

 FOMAは電話番号情報が入ったFOMAカードを差し替えるだけで、ほかの端末を使えるようになっている。ただ、本格普及に向けた途上の時期であるためか、大きく重い端末が多いのが現状だ。

 一方、ユーザーの利用シーンや好みは多様化している。今年の小さな端末ブームは(5月13日の記事参照)、それを象徴するものともいえるだろう。

 近い将来、ドコモはFOMAのローエンド端末を開発するとしている。FOMAを複数保有して“その日の気分で携帯を使い分け”できる日も、そう遠くなさそうだ。

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