その日の気分で携帯も“使い分け”〜premini&FOMAカード

» 2004年07月01日 22時28分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 カラー液晶&大画面化から始まった携帯機能の進化の流れは、和音の着メロ、Java(アプリ)、そしてカメラと続いてきた。しかし2004年に入ってからは、業界全体が競って進む目標はなくなってきたように見える。

 液晶は2.4インチ26万色で頂点に達し、Javaは「マルチメディア化は行き着くところまでいった」とドコモがいうほどの進化を極めた(2月20日の記事参照)。着メロはカラオケ並の64和音となり、新機種のニュースリリースからは和音数の表記が消えてしまった。カメラも各社が一斉に目指したのはメガピクセルまで。その後は、さらなる高画素、光学ズーム、フラッシュなどの機能を各社が思い思いに組み込んでいる状況だ。

 機能の進化が一段落したことで、成熟市場となってきた携帯電話。これがpreminiのようなとがった端末を生み出した土壌でもある(7月1日の記事参照)。

複数の機種をその日の気分で使い分ける時代へ

 端末の方向性が多様化するなか、preminiのようにとがった機種が続出すると、ただ1つの端末を1年間使い続けるのではなく、いろいろな端末を同時に使いたくなってくる。

 ある日はカメラ機能にフォーカスした機種を使い、ある日はデザインにこだわった機種をチョイス。アウトドアで使う日は対衝撃・防水性能を持った端末を選び、またあるときはゲーム機能に優れた携帯を使う。そんな使い方を実現する環境も整ってきた。

 1つの方法は、USIMカード(FOMAカード)を差し替えることだ。ドコモのFOMAやボーダフォンのVodafone Global Standard(VGS)では、自分の電話番号はUSIMカードというICチップに記録されている。ショップにいかなくても、自分でカードを入れ替えれば、その日に使う端末を気軽に選択できる(2001年10月16日の記事参照)。

 2つ目の方法はドコモが用意しているデュアルネットワークサービスを使うものだ。これは1つの契約、1つの電話番号でFOMAとムーバの2つの端末を利用できるサービス(2003年9月24日の記事参照)。携帯からの操作で、どちらの端末を使うかを切り替えられる。月額315円で利用可能だ。

注意したい、使い方

 ドコモの場合は2つの“使い分け”の方法があるが、それぞれ注意点もある。

 USIMの差し替えでは破損に気をつけたい。いずれのFOMAでも抜き差しは容易ではなく、慣れているはずのショップの店員でもとまどうほど。FOMAカードの扱いには注意が必要なのだが、「N900i」などではカードをスムーズに抜くのは難しい。また「P900i」など“P”のFOMAは、FOMAカードを載せる台が別パーツになっており、ここが破損しやすい。筆者は「P2101V」のカード差し込み口を壊してしまった経験もある。

 デュアルネットワークサービスの場合は契約の順序に気をつけたい。もともとこのサービスは、ムーバからFOMAに機種変更するユーザー向けに「引き続きムーバも使い続けられます」という意味で始まったため、FOMAがメインの契約となるからだ。

 FOMAユーザーの中には、「小型軽量のpreminiを2台目の端末としてデュアルネットワーク契約したい」と思う人もいるだろう(7月1日の記事参照)。しかしそのためには電話番号の入っていないpreminiを用意する必要がある。

 もちろんpreminiを普通に購入して解約すれば番号の入っていない端末が手元に残ることになる。ドコモは「いつ何時でも解約はお客様の権利」としており、この新規解約が契約違反というわけではないが、勧められるやり方ではない。オークションサイトでは白ロムのpreminiが早くも出品されているが、かなり高価だ。

 これらのの点に気をつけて、バラエティに富んだ携帯ライフを楽しみたい。

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