宮沢氏の言うように、各端末を接続するネットワークを構築する必要があるのであれば、エリア拡大にも制限があるはず。
「駅から遠く離れた地域で、Suicaの電子マネーサービスをやるメリットはないのでは」(宮沢氏)。そのため、利用シーンもある程度限定され、結果的に(エリア無制限の)Edyと棲み分けられる――という論法だ。
この点をJR東日本に聞くと、即座に「大掛かりなネットワークを構築しなければSuicaが使えないということはない」との返答。
「電話線があれば十分。実際に、駅から離れた場所にも決済端末があるし、ファミリーマートと提携できるのもそういう背景があってのことだ」(JR東日本)。ビットワレットの指摘は当たらないという。
こうして見ると、宮沢氏が“Suicaと共存”できる理由として説明した内容が、Edyの優位性を主張しているようでJR東日本の反発を招く――という、奇妙な構図になった。
EdyとSuicaは、はたして競合するのか、共存できるのか。……ビットワレットとJR東日本との間で多少の温度差もあるのか、結論はいまだ出ない。
SuicaとEdyの共用リーダー/ライターは可能か? |
パネルディスカッションでは、SuicaとEdyの両方に対応したリーダー/ライターが開発可能かとの話題が出た。 この点を聞かれたパネルディスカッションの出席者、フェリカネットワークのプラットフォーム部 統括部長の平児玉功氏は「はっきり言ってしまうと、可能」。 平児玉氏によれば、「同じFeliCaカードであり、無線インタフェースを一緒にできる部分はある」。ただ、事業者によって運営のスキームというかポリシーがある。そこを上手く調整しなければならない、とのことだった。 |
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