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» 2004年10月08日 13時38分 公開

インファナル・アフェア 無限序「電話を取り次ぐなと言っただろ!」Mobile&Movie 第132回

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”をご紹介する「Mobile&Movie」。今回は、香港の裏社会の男たちをアツく描く「インファナル・アフェア 無限序」。時の流れと共に携帯が進化するのを見ることができます。

[本田亜友子,ITmedia]
作品名インファナル・アフェア 無限序曲(Infernal Affairs II)
監督アンドリュー・ラウ
制作年・製作国2003年香港作品

 香港で空前のヒットとなった前作「インファナル・アフェア」。それを受けて製作されたのがこの「インファナル・アフェア 無限序曲」。前作が3部作の第1章、本作が第2章となっていますが、時は過去に遡ります。

 1991年から1997年の7年間、ちょうど香港が中国への変換に揺れた時期。携帯電話が出始めたのもこの頃、だんだんと携帯電話が小型化していく様子がこの作品で見て取れます。マフィアの覇権争いでは携帯電話を使って、緊迫した駆け引きが行なわれています。

 1991年、香港の尖沙咀に君臨するマフィアのボス、クワンの暗殺からすべての物語は始まりました。圧倒的な力で支配していたボスの亡きあと、誰が後継者となるか話し合うため、尖沙咀のシマを分け合う5人が町はずれの食堂に集まりました。

 クワンの組織から独立しようとする者、一気にクワンを越えようとする者、腹の探り合いが続いていました。そこへ部下が携帯電話を持ってやって来ます。

「電話を取り次ぐなと言っただろ!」

 跡目争いに終止符を打ったのは、クワンの息子ハウからの電話でした。5人は物静かなハウがクワンの跡継になれると考えておらず、この場にいる誰かをボスの座につかせるつもりでした。しかし、ハウからの電話に出た者は、会合の場を離れヒソヒソ話。

 そして、席に戻るとハウを後継者にすると宣言。ハウは、一人ずつ順番に電話をかけ、相手の弱みに付け込み、また巧みに商売の話を持ちかけて納得させたのです。こうして一晩で全員を口説き落とし、見事ボスの座を勝ち取ったハウ。

 このマフィアの後継者争いに、警察は目を光らせていました。ウォン警部は、クワン亡きあと、マフィアの内部抗争が激しくなり、さらにその勢力を広げていくことを危惧していました。そこで、ハウの腹心の一人で顔なじみのサムを呼び出し、内情を探ろうとします。

 しかし、なかなか本心を見せないサム。ウォン警部は、サムの瞳にかつてはなかった野心を見ます。そこでウォン警部は、裏社会への潜入捜査を決意します。そしてサムも警察の情報を利用し、自分に有利に使う方法を見つけたのでした。

 ウォン警部が目を付けたのは、警察学校を退学になったヤン。善人でありたいというヤンの正義感に賭けて、ヤンを裏社会に潜り込ませることにしたのです。一方サムは、以前から目をかけていたラウを警察学校に入れることにします。こうして、警察学校を去っていったヤンと、入学したラウ、マフィアのふりをする警察官と、警察官のふりをするマフィア、それぞれのスパイとしての任務が始まったのでした。

 やがて時が過ぎ、ハウは事業を拡大し、裏社会から表社会へと力を伸ばし、政財界にも顔を出すようになりました。膨大な権力と金を手に入れたハウは、やっと父親クワンの暗殺犯を突き止めます。また、ウォン警部はヤンによって、ハウの麻薬取引の実態を知らされます。さらに、サムもハウに大きな仕事を与えられ、海外へと旅立つことに。

 この機会に、一気にハウ一家を潰そうとするウォン警部。さらなる地位と覇権を手に入れようとするハウ。そしてサムの密かな野望。ヤンとラウも大きな潮流にのみこまれ、孤独な運命に振り回されていきます。この作品は、そんな荒んだ時代を生き抜いた男たちの熱い戦いの記録なのです。

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