WIN端末で定額ライブカメラ〜「CAMonEZ」を試す(2/2 ページ)

» 2004年10月12日 13時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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導入には最低限のTCP/IPの知識は必要

 導入までは、ダイナミックDNSサービスiobb.netの登録、BROAD STREAM RTの設置と設定、ルータの設定、WIN端末側のCAMonEZ利用登録──という手順になる。現在流通しているBROAD STREAM RTにはCAMonEZを使う場合専用手順書も同梱されており、基本的にこの手順書だけで導入処理は行える。

 なお導入においては、最低限のTCP/IPの知識が必要だ。家庭でのインターネット常時接続環境では、ほとんどの場合ブロードバンドルータ(もしくはルータ内蔵モデムなど)を用い、LANを構築しているだろう。CAMonEZを利用するには、インターネット側からのパケットがルータのDMZ機能などを使ってBROAD STREAM RTに届くように設定する必要がある。必然的にBROAD STREAM RTにはLAN内で固定したIPアドレスを設定する必要があるからだ。

 BROAD STREM RTの設定を行うにはLAN上の同じサブネット内にIPアドレスが設定されている必要があるが、付属のユーティリティを使うとサブネットに関係なくBROAD STREM RTを見つけ出し、IPアドレスの設定を行える。一時的にせよPCのIPアドレスの変更などを行わなくても済む点は便利


 一般的なインターネット接続環境ではLANに合わせたプライベートIPアドレスでの固定IPアドレスに設定する。デフォルトゲートウェイやDNSサーバは、PCに合わせればいい。ダイナミックDNSの設定も、専用サービスということもあり、とても簡単だ

 手順書には、ルータのDMZ機能の対象としてBROAD STREAM RTのIPアドレスを設定するように記述されている。実際には手順書通りに設定した場合、TCPの554番、UDPの6970〜7030番をBROAD STREAM RTに転送するように設定するだけで問題なく利用できた。


 手順書に従ってRTP動画の設定を行うと、動画ポート番号という項目が現れる。この項目の設定に合わせてルータでポートフォーワードの設定を行ったところ、DMZ機能を利用しなくても問題なく利用できた。ルータは「NEC WR7600H」での設定例

 こういったTCP/IP関係の設定を除けば、導入にあたって特に難しいと手順はない。WIN端末側の設定もBROAD STREAM RTに接続するためのIDとパスワード、iobb.netで取得したダイナミックドメイン名をウィザードに従って登録するだけ。一度設定行えば、再度IDやパスワードをする必要はなく、簡単にライブカメラを利用できる。

 WIN端末側の設定はBROAD STREAM RTで設定したIDとパスワード、iobb.netで取得したドメイン名だけ。一度登録すればCAMonEZのトップメニューから「カメラ閲覧」を選択するだけでライブカメラを使える

176×144でスムーズな映像配信、外部入力でさらに便利に

 実際にWIN端末で閲覧できる映像はQCIF(176×144ピクセル)で15fps。さすがに鮮明な映像とまではいかないが、けっこうスムーズだ。利用している帯域は3Gのテレビ電話と同じ64Kbpsとなるようだが、送信側のカメラ画素数やエンコード能力に余裕があるため、CAMonEZのほうが画質は「1段上」という印象。動きの激しいシーンで残像のように大きく画像が乱れることもない。少々残念なのは、実サイズ表示のみで拡大などができない点だ。

 筆者宅には留守中うごめく物体が存在しないので、ONUの監視ついでにauのマスコットキャラクターがお出迎え。カフェなどから携帯電話だけでライブカメラにアクセスできるのはやはり便利だ

 BROAD STREAM RT側の機能として活用しがいがありそうなのは、外部入力。一般的なピンジャックのビデオ入力とステレオミニプラグの音声入力を備え、単独のカメラユニットはもちろん、AV機器などの映像や音声を視聴できる。ワイヤレスで定期的に複数のカメラユニットの映像を表示できるようなセキュリティ製品と組み合わせて、“出先から自宅やオフィスなど複数の場所を監視”といった使い方もできるだろう。

 “あえて非リアルタイムな映像を視聴する”という使い方もあるだろう。例えば長期出張中などに、日中ビデオカメラで子供の映像を家族に録画してもらい、これを夜に再生してもらえば好きな時間にじっくりと見られる。動画メールと比べて視聴できる時間も長い(1回の視聴で約4分)。

カメラコントロールへの対応に期待

 CAMonEZで惜しまれるのは、BROAD STREAM RTのズームやティルト機能、内蔵カメラと外部入力の切り替えといった操作ができない点。BROAD STREAM RTがhttpベースで操作するため、携帯電話のブラウザでは対応が難しい部分もあるのだろう。しかしBROAD STREAM RT側のファームウェアアップデートなども合わせれば不可能ではないはず。特に内蔵カメラと外部入力の切り替えには対応してほしい。

 手軽なライブカメラの利用を考慮したことがあるなら、携帯電話から完全定額で利用できることの便利さを実感できるだろう。「BROAD STREAM RT」はPCからもライブカメラとして使えるので、携帯電話と使い分けもできるのも魅力だ。

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