ざわ……「カイジのアプリ」をプレイするっ……!モバイルコンテンツ・プチレビュー

» 2004年10月29日 19時14分 公開
[新崎幸夫,ITmedia]

 およそ世の中には、多くのアプリが存在する……。中には、人気キャラをアプリに利用する……そんなものも存在する……。しかし違うっ……! このアプリは決定的にほかのアプリと異なるっ……! なにしろ、主人公があの「カイジ」っ……! 何を考えている……? 開発者は……(ざわ……ざわ……)

 というわけで、このしゃべり方は息苦しいのでここからは普通で。今回はタイトーが提供する携帯アプリ「賭博黙示録カイジ」を取り上げる。かわいいアニメキャラや、強いヒーローを主人公にしたアプリは分かりやすいが、“カイジ”といえば独特の世界観がウリの一風変わったマンガ。はたしてどんなアプリに仕上がっているのか、プレイして確認してみました。

Photo (C)福本伸行/講談社(C)TAITO/講談社
コンテンツ名 賭博堕天録カイジ(50Kアプリ)
料金 月額315円
対応キャリア ボーダフォン(Vアプリ対応機種)
対応機種 J-SH07/08/09/10、J-T06/08/010、J-D05/06/08、J-N04/05、V401/301SH、V401D、V401T、J-SH51/52/53、J-K51、J-T51、J-P51、J-SA51、J-N51、V601N、V801SA、V801SH、V601/602SH、V601T(2004年8月現在)
アクセス 「メニューリスト」-「ケータイゲーム」-「麻雀・将棋・カジノ」-「賭博黙示録カイジ」

 賭博黙示録カイジは、福本伸行氏原作のマンガ(現在は賭博堕天録カイジ ※初出の書名が誤っておりました)。堕落した生活をおくるカイジが、悪徳業者の主催する破天荒なギャンブルに参加する――というのがメインの流れになっている。本作はこれを再現したもので、50Kアプリと256Kアプリの両方があるが(10月12日の記事参照)今回は50Kアプリを試した。

 2003年9月に「限定ジャンケン」アプリを配信して以来、随時アプリ(ストーリー)を追加しており、10月1日からは原作で進行中の「地雷ゲーム」を配信中。まだ“結末のついていない”ストーリーもリリースしてしまうあたりが面白い。

 各アプリには「ストーリーモード」「ランキングモード」の2種類があり、ランキングモードはアプリをミニゲームとして楽しむモード。ストーリーモードは、主人公と敵キャラの会話を楽しみながら、原作と似た流れでゲームを楽しむモードとなる。ちなみに、ストーリーモードは限定ジャンケンから順にクリアしないと、次に進めない(なお、ストーリーは一部原作から改変されていたりする)。

Photo 写真は「地雷ゲーム17歩」アプリのもの

どちらかというとノベルゲーム?

 というわけで、早速ストーリーモードをプレイ。非合法のギャンブル船「エスポワール」に乗り込むカイジっ……! 始まる狂気の宴っ……! 

 始める前は、単純なミニゲーム集かと思ったのだが、意外にも「ノベルゲーム」の趣きだ。例えばカイジをだまそうと敵キャラがやってくるのだが、その誘いに乗るかどうか「はい/いいえ」で答えるといった具合。

 もちろんミニゲームの要素もあるが、キャラが交わす「会話」がメインコンテンツとなる。ストーリーを進めると、作品で登場した「名言コレクション」が保存される(正直、それほどうれしくない……)。マンガを読むような感じで、サクサク読み進められる。

随所に「遊び心」

 気にいったのは、随所に“カイジワールド”への配慮があること。たとえば通信中は、背景に「ざわ……ざわ……」と表示される。

 ゲームの説明を読んでいて、パチスロアプリの詳しい説明を求めると、「利根川先生」がこんな風に答えてくれる。「質問すれば答えが返ってくるのが当たり前か……? とんでもない誤解だ……」。

 そりゃねーよ、と思って読み進めると、「すまない……本当はパチスロの世界は奥が深くて簡単には説明できないんだ。(中略)ここは私の焼き土下座で許してくれ。(ジュジュゥー)」。うーん、原作を読んでないとさっぱり分からないだろう。まあいいですけど。

 個人的には、原作を忘れてしまっている部分もあって、ストーリーを追いかけるだけでなかなか楽しめた。音楽もどんよりしていて、雰囲気を盛り上げる。まだ読んでいないユーザーなら、「敵を信じるか/信じないか」などの選択肢で緊迫した展開を楽しめそうだ。

 難点は、日常会話が「カイジ」風になってしまうことだろうか……。書く原稿が、すべてがカイジ風になる……それは危ないっ……! 避けねばならぬ滅びの誘惑っ……! ああ、そう言っている間にもこんな文体で……!

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