ITmedia 優位性を打ち出して、現在携帯電話を使っているユーザーを取り込んでいくとすると、どのへんのマーケットを狙っているのでしょう?
「現在固定電話の契約数が約6000万、携帯電話の契約数が8000万で、非常に厳しい競争が続いています。当社のユーザーを分析すると、論理性か感性かで見るととても論理的で、非常に大人で、mature(成熟した)ユーザーが多い。こういった人たちを満足させるような商品を出していきます」
ITmedia 具体的なポイントはどこになるのでしょう。
「これまで高速化を打ち出しにくかったのですが、今後はAirH"PHONEユーザーに対して、より高速化した定額の端末が必要ですね。そして通話が中心でコスト重視というユーザーに対しても、使いやすい端末を出していく必要があるでしょう」
ITmedia 音声端末も、バリエーションを増やしていくということでしょうか。
「音声端末だけの話ではないですが、ユーザビリティを重視していきます。デザイン重視も大きな課題です。たとえば「INFOBAR」はデザインがいいという理由でヒットした端末ですが、ボタンが大きくて押しやすく、多機能というよりはシンプルです。別にシニア向けとは言っていないけれど、非常に優れたユニバーサルデザインだと思います。ああいう試みは必要でしょう」
ITmedia 端末を作っているメーカーも増えますか?
「増やしていきたいです。しかしそれには、1種類の端末が20〜30万台売れるような市場を作っていかないと、メーカー側も参入しにくいですから。我々が加入者を増やす努力をしなくてはいけませんね」
ITmedia 法人向け端末はどうでしょう。新体制になったことでどこが変わりますか?
「携帯電話のビジネスは垂直統合モデルといえます。通信があり、その上にISP事業、コンテンツ、アプリケーション、最近だと決済・ECが載ってきて、これをすべて囲い込むというスタイルのビジネスです。我々は逆に水平展開モデルを考えているのです。中心に使いやすい技術を提供し、それがオープンになっていて、誰でも自由に参加ができる。水平展開、つまりパートナーシップ重視です。ウィルコムというネットワークを提供しますから、誰でもここに参加してください、というスタイルになります」
ITmedia 水平展開をすることで、どのようなメリットがあるのでしょう。
「法人分野のビジネスを考えるときは、水平展開の方が強いと考えています。すでにあるイントラネットに、どのようにモバイルを組み合わせていくかという話になれば、ASPも、SIも、そこにはさまざまな事業者がいるわけですから」
ITmedia 法人向け端末は現在データカードが中心ですが、最近の法人向けソリューションの動向を見ていると、ノートPCではなく、海外ではPDAやBlackberryのような端末、日本では高機能な携帯が人気があるようです。データ通信カードではなく、単体の音声端末で法人ソリューション用途に使えるものは考えていますか?
「Blackberryという形に限らず、業務用端末を考える場合、セキュリティのことをしっかり考えて解決した製品であることは必須です。セキュリティソリューションと組み合わせた高機能端末は今後、考えていきます」
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