携帯コンテンツ戦争──Flashが制する可能性は?(2/3 ページ)

» 2004年11月05日 18時02分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

激化する「携帯コンテンツ戦争」

 Flash Castの成功が一筋縄ではいかないと考える理由は、日本国内では「あらゆるコンテンツが携帯を目指している」ことにある。たとえばJavaベースのアプリは、ファミコン/スーパーファミコンのテレビゲームが携帯に移植されるケースが増えている。ドラクエやFFといったハイレベルのゲームが携帯で遊べるというのは、個人的にもインパクトがあったし、実際に多くのユーザーが興味を持ったようだ(9月24日の記事参照)。

 テレビ放送も携帯を目指している。ボーダフォンのテレビ付き携帯は対応機種を増やしつつあるし、2005年末頃からは1セグメント放送が始まる(特集「1セグ放送&モバイル放送・徹底比較」参照)。テレビ局は「固定テレビが最強のメディア」という考えを捨てていないが、携帯が魅力的なプラットフォームであることも十分に承知している。

 こうしたコンテンツは、部分的にFlash Castとかぶってくるし、質的にFlash Castを凌駕する。Macromediaのモバイルアンドデバイスソリューションエンジニア 松井邦夫氏は、「実際のところ、ドラクエやFFをFlashで作るのは、無理だろう」とコメントしている。もちろん、Flashのゲームは簡易なものという暗黙の了解があって、それを理解した上で活用するサイトもあるが(9月9日の記事参照)、進化を続けるJavaゲームに比べると機能不足に陥る可能性がある。

 1セグメント放送については、その双方向性がFlash Castのインタラクティブな仕組みと重なってくる。1セグ放送はそれなりに費用がかかっている地上波番組をそのまま流せるだけに、これに双方向性が加わると強力なコンテンツに“化ける”可能性がある。

 「プッシュ配信がある」と主張する人間もいるかもしれない。確かにFlash Castにはプッシュ配信の仕組みがある。だが、既存のサービスでもメール配信を組み合わせて、リアルタイムにスポーツの中継を行うようなものは存在した(関連記事その1)(その2)。

 冒頭の質問に戻って考えてみよう。

 電車のプラットフォームで携帯を取り出す。そのユーザーが「Javaアプリで遊ぶのでなく、テレビ放送を眺めるのでなく、さらには携帯をオーディオ代わりに利用するのでも、フルブラウザ端末として利用するのでもなく」――遅れて登場した新サービス「Flash Cast」を楽しむ可能性がどれだけあるか。確かに携帯電話は、国内だけで8000万のユーザーがいる。だが残念ながら、競合しそうなコンテンツもまた星の数ほど存在するのだ。

 次ページ:Flash Castが成功するには?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月07日 更新
  1. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  2. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  3. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  4. モバイルSuicaのコード決済「teppay」10月20日開始 2万円を超えたチャージが可能に (2026年10月06日)
  5. 2万mAh搭載で「世界最小」うたうモバイルバッテリー、半固体電池採用 MATECHから (2026年10月06日)
  6. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【10月6日最新版】 モバイルSuica利用で600ポイント、交換レート35%オフも (2026年10月06日)
  7. 楽天ドライブに不正アクセス 1万5382件の保存データ閲覧、313件のパスワードも (2026年10月06日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  10. JALモバイルはなぜIIJに加え「ahamo」を選んだのか? JALとドコモが明かす“ホワイトレーベル”の狙い (2026年10月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー