平成電電は、2005年早々にも総務省に「IEEE802.16」(WiMAX)方式の実験局免許を申請する方針を明かした。12月14日に総務省が開催した「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」第5回会合で、平成電電の佐藤賢治社長が話した。
WiMAXは、Wi-Fiよりも長距離化が図られた、ラストワンマイルの通信方式として想定される通信方式。先ごろ固定での利用を想定した「IEEE 802.16-2004」が仕様決定している(10月26日の記事参照)。現在は、モバイル版の方式である「IEEE 802.16e」の仕様化が進行中だ。
通信方式 | 最大スループット |
---|---|
802.16-2004 | 4.69Mbps |
CDMA2000 1x EV-DO [Rev.A] | 3.2Mbps |
W-CDMA | 2Mbps |
平成電電は以前から、WiMAXの技術に興味を持っていることを言明していた。携帯電話の基地局敷設にかかるコストの計算でも、1万局を設置するとして「3Gなら最初の5年間に2000億円程度かかるが、IEEE 802.16eなら500億円程度ですむ」との資料を総務省に提出したりしている。
今回、佐藤氏はWiMAXの技術を持つ企業と提携して、研究を進めているとコメント。WiMAXのOFDM変調方式をベースに、OFDM技術とMIMO技術の融合を検討、開発しているという。来年早々には、実験局免許の申請を行うつもりだとして、今後同技術でモバイル業界に参入する考えがあることを示した。
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