コンテンツ自体と利用権(コンテンツキー)を分離させたことで、流通経路が広がるというメリットも生まれた。Vodafone live!BBのコンテンツは基本的には専用サイト(※15日オープン)からダウンロードするが、「(ダウンロードしたコンテンツは)自由にやりとりしてもらってかまわない」(千葉氏)というスタンス。
将来的には、暗号化されたコンテンツをSDカードに入れてコンテンツプロバイダが配布するような利用法も考えられる。「コンテンツの流通経路はできるだけ広げたほうがいい」(コアプロダクト&プラットフォームマネジメント部の鳥山恵美子氏)という考えだ。
では具体的なコンテンツ利用の手順はどうなるのか。
まずPCを使って暗号化されたファイルをダウンロードする。音楽や映像などの種類に関係なく、ファイルは.dcfという拡張子が付いている。業界団体OMA標準の暗号化ファイルだ。
続いてファイルを携帯電話の特定フォルダに入れる。Nokia製の「702NK」であれば、付属のケーブルでPCのUSBと接続するか、Bluetoothを使うのが簡単だ。また14日に発表されたソニー・エリクソン製「802SE」では、USBケーブルをつなぐとPCからフォルダとして携帯が見えるようになっている。このとき、音楽なのか映像なのかで入れるフォルダが異なること、端末によってフォルダ構造が異なることには注意したい。なおNEC製の「802N」はVodafone live!BBに非対応となっている。
次に、携帯側でデータフォルダを開け、転送したファイルを見てみよう。カギのアイコンに禁止マークが付いているはずだ。このファイルを再生しようとすると、自動的にコンテンツサーバへの通信が始まる。ボーダフォンライブ!の画面から、着メロなどと同様にコンテンツキーを購入すれば、自動的にファイルの禁止マークが消え、コンテンツが再生可能になる。
Vodafone live!BBはPCの利用が前提となるため、携帯のヘビーユーザーと層が異なるという指摘もあるが、千葉氏は「アーリーアダプターがターゲット。PCはもちろん持っているし、携帯も最新のものを持っている。うまくミートするサービスだ」と話す。ともあれVodafone live!BBが、PCと携帯の特徴をうまく組み合わせたサービスなのは間違いない。対応機種の普及、そしてこの仕組みをうまく生かしたコンテンツが多数登場することが、Vodafone live!BBの成功の鍵を握ることになりそうだ。
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