作品名 | TUBE(TUBE) |
監督 | ペク・ウナク |
制作年・製作国 | 2003年韓国作品 |
今回ご紹介するのは、韓流アクション大作「TUBE」。地下鉄に仕掛けられた爆弾をめぐって、男同士の熱い戦いが繰り広げられます。地下鉄が止まったら、爆弾が暴発するというスリリングな設定は、ハリウッド映画「スピード」を彷彿させます。それに加えて「TUBE」には、韓流作品ならではの笑い、愛、友情のドラマがたっぷり詰まっています。
携帯電話は、テロリストにジャックされた地下鉄の乗客と警察の連絡手段として大活躍します。日本の地下鉄では、携帯電話は駅では使えて、駅を出てトンネルの中に入ると電波が届かないところが多いですが、韓国の地下はアンテナが張り巡らされているよう……。以下、ネタバレ全開モードにつき、これから観る予定の人は、注意して下さい。
韓国の金浦国際空港で、政府の要人を狙う銃乱射事件が発生。ソウル警察のチャン刑事は現場に駆けつけ、犯人を追い詰めましたが、一人を仕留めた後で逃がしてしまいました。チャンはその犯人グループの中に、元国家機密諜報員ギテクの姿を見つけました。ギテクはチャンの婚約者の命を奪った男。癒えない悲しみが復讐の炎となり、チャンを駆り立てます。
そんなチャンを慕っているインギョン。死んだ婚約者を忘れられずにいると知りながら、チャンとはつかず離れずの関係を続けていました。空港乱射事件から数日後、インギョンは地下鉄のホームでギテクに似た男を見かけます。
「インギョンだけど……」
チャンがギテクを憎んでいることを知っているインギョンは、役に立ちたいと携帯電話で連絡を入れ、ギテクを見かけたことと告げます。ギテクの後を尾け同じ列車に乗ったインギョン。チャンもその列車を追いかけ、飛び乗ります。
ギテクは、ソウル市長の地下鉄視察日に合わせ、恐ろしい計画を練っていました。工作員として真面目に働いていた自分を放り出し、仲間を見殺しにして機密を封じ込めようとした政府に対する報復。それは、時限爆弾を地下鉄に仕掛け、乗客を人質にして、工作員の存在を世に知らしめようとするもの。計画は実行に移され、爆弾のタイマーはスタートし、誰にももう止められないのです。ギテクはこの要求を携帯電話で政府に伝えます。チャンの携帯電話にも、ギテクは宣戦布告します。
「お前の相手は俺だ」
チャンは警察の幹部や、地下鉄の管制室と携帯電話で連絡を取りながら、この非常事態に立ち向かっていました。管制室の指示を仰ぎ、列車を止めるチャンスを伺いますが、ギテクはそれを阻止。諦めずに乗客と力をあわせて、窮地を脱する方法を模索するチャン。やがて、列車を切り離すという賭けに出ることに。携帯電話のカメラで撮った画像を、管制室に送信し、連結部分をどのように操作すればいいのか指示を仰ぎます。
加速する列車、ギリギリのところで作業を続けるチャン。ギテクの狂気に、チャンの正義は打ち勝つことができるのか。最後の最後まで、息の詰まる迫力に圧倒される作品です。
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