2.5Gで一段加速、3Gでフルスロットル〜パナソニックの海外戦略(2/2 ページ)

» 2005年01月11日 19時20分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
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キャリア案件の中に独自技術をどう落とし込むか

 海外の携帯市場には、大きく2つの流れがある。通信事業者がサービスや端末の仕様を決め、それに沿った端末を開発・納入する「キャリアモデル」と、一定のプラットフォームを使った標準的な端末をメーカーが開発・販売する「再販モデル」だ。日本や一部欧州、米国は前者、アジアは後者が主流。中国は再販中心からキャリアモデルに移行しつつあり、パナソニック モバイル端末も「X200」と「A500」がチャイナモバイルの認定機に選ばれている(2004年12月の記事参照)

 こうした市場動向を踏まえてどこに重点を置くかを考えるとき、視点は2つあるという。「開発の軸」と「販売の軸」だ。

 開発については、「通信事業者の要求が技術を強くする」という考え。「欧州キャリアも、サービスインフラで先行する日本をキャッチアップしようと、商品に対する提案は積極的だ。技術的にハードルが高いものもある。それにきちんと応えていける技術力や開発力が必要。ここで強い製品を開発できれば、再販ルートの中でも販売できる。キャリア案件で鍛えられた製品に、パナソニックの特徴であるAV機能を入れ込んだものを主体にやっていきたい」

 販売面では、欧州とアジアを重点エリアと見ている。「特に中国。最大の市場規模なので、確実に事業規模を拡大できる基盤を作る」

 200万画素カメラを装備、ムービーカメラのようなスタイルでの撮影が可能な「P900iV」。AV機能をウリにしたFOMA端末だ


 ディスプレイ部がポップアップするユニークな機構の「X300」


 日本で人気のカスタムジャケットやワンプッシュオープンボタンを供えたGSM端末「A500」

本格的に3Gが立ち上がるのは2006年

 海外で3Gが本格的に立ち上がる時期を小谷氏は2006年以降と見ている。「端末のスペックやサイズが2.5Gと同等になるには時間がかかる。日本でもPDCと同レベルの機能になって、パケット料が安いということが基本にあって普及が加速した。サービスインフラの要求もあり、そんなに単純には立ち上がらない」

 2006年までに、自社の特徴を入れ込めるアプリケーションを網羅したプラットフォームと環境を整備し、日本で作ったFOMAのアプリケーションを載せていける体制を作るのがUMTS端末開発の目標だ。

 「3Gで自社の強みをいかに発揮するのか──というところで、アプリケーションの活用範囲を民生機器も含めて広げようと考えている。既にグループ全体では、デジタルテレビなどの民生商品はCE Linuxで進めている」。

 パナソニック モバイル初のUMTS端末「Z800」。130万画素CCDを搭載、USB2.0、IrDA、Bluetooth、音楽プレーヤー機能を備える

 欧米で注目されている、移動体通信とカーオーディオやホームネットワークの連携については、松下電器産業がカバーしており、密に連携することで素早い対応を図るという。

 UMTS端末の開発で重要となる部材調達は、すべてを自社開発することはもはや難しいと話す。「我々の強みを発揮できるところ、共用できるところのバランスをうまくとらなければ、3Gの端末開発は難しい。どうやって互いをWin-Win関係にできるかという視点がないと、なかなか事業展開できないだろう」

速い技術進化の中で、どう戦うか

 小谷氏は、モバイル機器を手がける前は松下電器AVC社のオーディオ事業部で、民生機器の開発を担当していた。「キャリア案件がすべて」ともいえる携帯電話開発は、「技術の変化スピードが感覚として3倍早い」といい、その中でいかに最適なタイミングで市場が求める商品を出すかが重要だと話す。

 「通信事業者の用件が半年に1回くらい、どんどんでてくる。しかもかなりハードルが高い。それをプラットフォームの基本のところから実現しようと思ったら、相当、密に連携を取りながら情報を収集しておかないと、なかなかタイムリーな商品を出せない。プラットフォームをきちっと作り込み、その中にキャリアの用件を網羅する、かつ独自性を入れ込んでいく──。かなり前もって仕込む必要がある」。

 2005年はこうした端末投入体制を整えるステップの年だと小谷氏。「2.5Gで一段加速、フルスロットルで3Gに行く」

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