作品名 | サイドウェイ(SIDEWAYS) |
監督 | アレクサンダー・ペイン |
制作年・製作国 | 2004年アメリカ作品 |
カリフォルニアで教師をしているマイルスは、2年前の離婚のショックを引きずってネガティブ思考の地味な生活を続けていました。たった1つだけ残された小説家になる夢も、今では叶うわけがないと諦めています。親友のジャックに誘われて、久しぶりに旅行に出かけることにしたのも、出版社に送った小説の件から気を紛らすため。そんなマイルスにとって、幸せな瞬間はワインを飲んで、何もかも忘れて酔っている時。マイルスはワインに関する知識には自信があり、ワインへのこだわりも人一倍。ジャックにワインの素晴らしさを教えるため、ワイナリーツアーを計画します。
結婚式を1週間後に控えたジャックは、独身時代最後の旅行でハメを外すことに夢中。ジャックはかつて人気テレビドラマにレギュラー出演していましたが、今ではCMにちょこちょこ出るくらいのB級俳優。それでもルックスには自信があり、行く先々で女性を物色し、声をかけていたのです。マイルスは呆れながらも、気のおけない親友とのワイナリーめぐりの道程を楽しんでいました。
そんな男2人旅を心配してか、婚約者からジャックの携帯電話に毎日連絡が入ります。
「今、電話しようと思ってたんだ」
面倒臭そうに電話に出たわりには
「俺も愛してる」
と言いのけるジャック。
「おやすみ」
と電話を切った後で
「俺は独身最後を楽しむ!」
と、あっけらかんとジャックは宣言するのでした。マイルスはジャックとは正反対で自分に自信がなく、女性には超オクテ。明るく声をかけてくれるレストランのウェイトレス・マヤにも、チップが欲しいだけに違いないとネガティブ思考。ジャックは、マヤがマイルスに好感を持っているのを察して、行動に出ます。再び傷つくことを恐れるマイルスは、素直になれずにマヤと距離を置いてしまいます。
マイルスとマヤが言葉もうまく交わせない間に、ジャックはマヤの親友ステファニーと親密になります。宿にも戻らず、ステファニーと一夜を明かしたジャック。
「まず、携帯電話をチェックしろよ」
やっと部屋に帰ってきたジャックにマイルスは言います。留守番メッセージを聞いて、現実に引き戻されるジャック。
「ヤバイ、宿にも伝言がある」
「今すぐ電話かけろよ」
心配したマイルスにそう言われると
「おふくろ面かよ」
と少し不機嫌になったジャック。後ろめたい気持ちで、婚約者に電話をかけると、携帯電話は留守電に。
「救われた」
と、ほっとします。それでも懲りないジャックは、ステファニーとマヤ、そしてマイルス、4人で出かけようと提案。無理矢理連れていかれたマイルスでしたが、ワイン通のマヤとは趣味が合い、話が弾みます。
普段は女性と話すことが苦手なマイルスも、マヤとは自然に会話ができるのです。しかしマイルスは、離婚の痛手からまだ立ち直っておらず、傷付くことを恐れてマヤの好意を受け止められません。自分に苛立ちながら、マヤがなぜ、こんな自分を嫌わないでくれるのか、考え込んでしまうマイルス。人生の半分を過ぎたのに、何ひとつ達成していない──。マイルスにとって、ワイナリー・ツアーは、マイルスにとって、人生を見つめ直す旅となったのでした。
マイルスとマヤの仲は進展するのか? さんざん浮気をしたジャックは、1週間後に無事結婚できるのか? そして、マイルスが“人生の寄り道”で見つけた答えとは?
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