次にドコモやauユーザーが音声定額端末を追加で持つ場合のメリットを考えてみよう。
現実的には2台目に音声定額の端末を持つことで、今まで利用していた携帯電話での1カ月あたりの通話分数が減るはずだ。つまり、より基本料金が安価な料金プランに変更可能になる場合が多い。
簡単にいえば2人で音声定額の端末を2台目として持つ場合、1人頭で約2500円必要となる。つまり既に使用している携帯電話の月額利用料金を2500円分削減できれば2台持ちするメリットが出てくる。
基本料金 | 無料通話分数 | |||
家族以外 | 家族間 | |||
ドコモFOMA | FOMAプラン39 | 2656円 | 22分 | 32分 |
FOMAプラン49 | 3339円 | 66分 | 94分 | |
FOMAプラン69 | 4567円 | 140分 | 200分 | |
FOMAプラン100 | 6825円 | 272分 | 389分 | |
FOMAプラン150 | 10237円 | 485分 | 693分 | |
au WIN | プランSS | 2610円 | 25分 | 36分 |
プランS | 3279円 | 65分 | 94分 | |
プランM | 4617円 | 150分 | 214分 | |
プランL | 6693円 | 275分 | 393分 | |
プランLL | 10040円 | 800分 | 1143分 |
音声定額導入を検討するのは、現状、比較的音声通話が多い人ということになる。ここではドコモのFOMAはプラン100、auのWINはプランLを現在利用していると仮定して見ていこう。
FOMAではプラン100からプラン69に移行すると、月額基本料金は2258円安くなる。つまり300円増程度で家族同士の通話が定額となるが、無料通話分数は272分から140分とほぼ半分になる。
WINの場合も概ね似たような傾向だ。プランLからプランMに移行すると、月額利用料金は2076円安くなる。500円程度の料金増で音声定額が導入可能だ。
無料通話分を計算に入れると、2台持ちもぐっと現実的に感じるが、“家族間の通話が非常に多い”のが前提となるのには注意が必要。ここの仮定ではそもそも月間3時間以上は家族間通話がないと、料金プランを変更した場合、家族以外との通話料金が無料通話に収まらないことになる。
このようにドコモやauのユーザーが「ちょっと家族間通話が多い」と感じる程度では、なかなか2台持ちがメリットにならないのも実情だ。
もちろんボーダーフォンやウィルコムの音声定額サービスを否定しているわけではない。インターネットがそうであったように、音声定額の導入によって、今までは通話料金を気にしていた家族間通話を遠慮なく行えるようになるというメリットはある。問題は、やはり家族間通話やウィルコム間通話といったように利用が非常に限定されることだ。
ただ音声定額以外にもメリットがある。ウィルコムならEメールの送受信も無料であり、ボーダフォンではEメールの着信通知が無料。さらにウィルコムでは7月から開始予定のオプションサービス「リアルインターネットプラス[1x]」を使えば、1台あたり2100円/月の追加で、32KbpsパケットながらWebアクセスやPCでのインターネット接続まで定額とできるメリットもある。料金面の話にちょっと戻るが、ウィルコムなら片方を「安心だフォン」にして、発信を片方に限定すれば音声定額のための月額利用料金を2回線で3719円まで下げられる。
ここまでで触れたように、ドコモ、auユーザーが2台持ちで音声定額による料金面でのメリットを享受できる条件は限定される。しかしEメール利用やデータ通信にも活用するなど“2台持ち”を積極利用するなら、ドコモやauユーザーが2台目としてウィルコムやボーダフォンの音声定額サービスを活用するのも悪くない選択だ。
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