「WiMAXはライセンス制にすべきか?」――米弁護士

» 2005年06月06日 23時59分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 鷹山や平成電電に続き、イー・アクセスも興味を示していることを明かした次世代無線技術WiMAX(5月23日の記事参照)。まだ周波数割当をどうするかも検討段階だが、注目度は高い。

 6月6日に開催された甲南大学通信情報研究所主催の特別講演会では、そのWiMAXがテーマだった。米国連邦通信委員会(FCC)の戦略計画局、ケネス・R・カーター氏が登壇し、WiMAXのライセンス制度などを論じた。

Photo 米連邦通信委のケネス氏。同氏は戦略計画局のビジネス・経済を担当する弁護士だ

WiMAXは「カセドラル型」

 ケネス氏は冒頭、オープンソース推進団体Open Source Initative(OSI)の創設者エリック・レイモンド氏の言葉を引用し、システムには「伽藍とバザール」の2タイプがあると話す。

 前者の伽藍(大聖堂、カセドラル)は、しっかりとしたアーキテクチャを持っており、少数の有能な人間が孤立した状態で設計するもの。後者のバザール(市場)は、より開放的であり多くの人間が開発に携わるものだ。

 こう前置きした上で、ケネス氏は、WiMAXとWi-Fiを比べると違いがあると話す。「WiMAXはWi-Fiを“ステロイド剤で増強したようなもの”だと例えられることもあるが、そうではない」

 根本的に、WiMAXはカセドラル型で、Wi-Fiはそうではないのだとケネス氏。WiMAXは中央集権的で、ベースステーションとターミナルから成り立つ。より高出力で、通信範囲を広げられ、干渉を避けるための仕組みは導入されているが、干渉があり得る。

 一方Wi-Fiは既に普及しており、アクセスポイントがあればいい分散型。出力も比較的弱く、機器の持ち運びを考えて設計されているという。

ライセンスかアンライセンスか?

 ケネス氏は、米国の周波数政策の特別作業班として、近年周波数は「命令と統制」を減らす方向で進んできたと紹介する。

 この方向で、より多くの周波数をアンライセンス(無免許制)にしてきたという。「3600M〜3650MHz帯もそうだし、5GHz帯もU-NIIデバイス(国家情報インフラデバイス)向けにアンライセンスになっている」。その上で、WiMAXをライセンスモデルにすべきか、アンライセンスモデルにすべきかと問いかける。

Photo ケネス氏が示したWiMAXの周波数マップ。Wi-Fiの場合、ISMバンドを利用すればアンライセンスで利用できる

 ケネス氏の答えは、「ライセンスでもアンライセンスでもいい」――というもの。ライセンスといっても、実は難しいものではなく、個人レベルでも“結婚届を出して住民としての「ライセンス」を取得する”という行為は日常的だと強調する。

 ただ、「個人的には、アンラインセンスのほうがいいと思っている」とケネス氏。「私はWi-Fi派。アンライセンスのほうがクールだ」と笑った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月06日 更新
  1. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  2. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  3. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  4. ドコモがRCSで同意未取得の不備 約1万6000件に影響、対象ユーザーは利用停止に (2026年10月04日)
  5. JALモバイルはなぜIIJに加え「ahamo」を選んだのか? JALとドコモが明かす“ホワイトレーベル”の狙い (2026年10月05日)
  6. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  7. ahamoがついに料金プランを改定。段階制へ――「40GB」が業界の新たなスタンダードになるのか (2026年10月04日)
  8. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【10月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年10月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー