世に出るWiMAX〜インテルが対応チップを出荷

» 2005年04月19日 14時28分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 インテルは4月19日、WiMAX対応チップ「インテル PRO/Wireless 5116」の出荷開始を発表した。WiMAX対応製品を開発するメーカーや、対応サービスの提供を予定する通信事業者向けで、価格は1000個ロットで47ドル。

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 インテル PRO/Wireless 5116は、IEEE 802.16-2004に対応したMAC/ベースバンドチップ。「固定ワイヤレスブロードバンド機器」に適した製品とされ、具体的には宅内に設置する加入者モデムや宅内ゲートウェイに搭載される見込みだ。

 CPU、802.16-2004のMACに加え10/100BASE-TXのインタフェースや無線インタフェース、フラッシュインタフェースを備える。「WiMAX対応のシステム・オン・チップとしてはこれが世界初」(インテル)という。

 ソフトウェアの開発キットも第2四半期に提供する予定で、メーカーや通信事業者はこれにより自社サービス用に機器を作りこめる。VoIPに対応できるだけのQoS機能を持つが、「基本的にはデータフォーカス。データ通信が主軸だ」(インテル セールス・マーケティング本部のプロダクト マーケティングマネージャー、梅野光氏)という。

 WiMAXと呼ばれるIEEE 802.16技術の中でも、モバイルでの利用を想定した「IEEE 802.16e」はサポートしない。つまり、このチップを“WiMAX携帯電話”“ノートPC”用には利用できない。「802.16-2004と802.16eでは、変調方式も変わってくる。対応させるには、チップ側でハードウェアベースの変更が必要」(梅野氏)。

Photo インテルが考える、WiMAX製品のロードマップ。2006年頃から802.16-2004対応製品が出始め、2007年には802.16e対応製品が登場する。将来的にWiMAXモジュールを内蔵したノートPCもリリースされるだろうという

WiMAXとしての優位性は

 Wi-Fiと比較した場合、WiMAXはより広範囲をカバーする技術となる。いわゆるMAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)を構築する技術との位置づけだ。「半径5キロ程度をカバーする。指向性を持ったアンテナ同士で2点間をポイント・トゥ・ポイントでつなげば、50キロは届く」(梅野氏)

 もっとも、似たような位置づけで26GHz帯や22GHz帯を利用したサービスも既に商用化されている(2002年6月24日の記事参照)。梅野氏はこうしたサービスとの違いとして、「WiMAXはワイヤレスブロードバンドの標準技術だ」と強調する。

 「26GHz帯を利用するサービスは、独自技術を使った機器を利用することになる。WiMAXのほうが(機器の総数が多くなるから)コストメリットが出せる。相互運用性という面でも、WiMAXはWiMAXフォーラムで接続性を認定している」

まずは世界で販売、日本市場も視野に

 今回の発表を受けて、11社の機器メーカーがインテル PRO/Wireless 5116の支持を表明している。通信事業者では75社がWiMAXのトライアルを行っているが、このうち30社がインテル製品をベースにしており、15社は同製品による具体的なテストプランを持っているという。

Photo 支持を発表した企業群

 梅野氏は、具体的な話は明かせないが日本の通信事業者とも話し合いの場を持っているとコメント。WiMAXのサービス提供を目指す鷹山なども前術の“30社”のリストに入っているという。

 ただし日本では現状、WiMAXにどの周波数帯を割り当てるか総務省が研究会を開いている段階。「3.5GHz帯などを割り当ててくれと要望を出しているが、WiMAXフォーラムが考える帯域から外れた帯域が割り当てられると、すぐにサポートできない」(梅野氏)など、先行きはやや不透明だ。

 今回のチップは当面、海外の市場向けにリリースされることになる。米国や中国では、WiMAXにどの帯域を割り当てるかが定められてる。米国や中国は国土が広く、ルーラルエリア対策になり得るWiMAXが向いているとした。

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