「902i」──速度アップのそのワケは?モバイル編集部、ただいま取材中

» 2005年11月02日 02時51分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 28日に更新した、『「902i」の“レスポンス”をチェックする』では、多数の反響をいただきまして、ありがとうございました。

 発表会、そしてその後の取材と改めて902iシリーズに触ってきたわけですが、やはり感じるのはレスポンスのアップ。多くの読者からFOMAの“もっさり感”を指摘されたのですが、個人的に思い起こすのは以前のau端末のもっさり感です。

 「C4xx」時代──思い起こせばもう5年ほど前ですが、cdmaOne時代のau端末は、それはもうもっさりしたものでした。特に、購入直後はそこそこ動いても、データが貯まるにつれて動きが緩慢になってきて、メールボタンを押すと、一覧が表示されるのに30秒も待った……なんて端末もありました。当時、ドコモ端末はムーバの503iシリーズで、Javaも搭載され、とにかくキビキビ。本当にきもちよく動いたものです。

 そのauが、GPS対応の「C3000」、そしてCDMA 1Xの「A5000」と代わるにつれて高速化。WIN端末の第2世代「W21」シリーズの頃は、最もレスポンスのいい端末になっていたのでした。考えてみれば、“もっさり時代”のauは一時は累計シェアで3位に転落したほどのどん底。そこから端末の高速化と歩調を合わせて伸びてきたわけです。もちろん端末が速くなったから売れたというわけではありませんが。

 ではau端末のレスポンスがどうして向上してきたのかというと、ベースバンドチップであるQualcommチップのクロック向上が大きなところでしょう。

 503i時代(ボーダフォンでいうと永遠の名機「J-SH07」の頃)、携帯のCPU速度はARM7/33MHz程度と言われていました。これが504i、505iと代を重ねるごとに高速化し、ムーバの最後の頃は100MHz近くになっていたと思われます。「F504iがツインCPU搭載」というニュースを覚えている方はいるでしょうか。今でこそ明かしますが、これがSH-Mobileの(ほぼ)初搭載端末でした。133MHzのSHコアを搭載していたのです。

 ところがau端末はずっとARM7/33MHz程度のまま。このCPU速度がアップしたのは、900iシリーズ登場前夜ともいえる2003年10月の端末群からです。ARM9/150MHzのCPUコアを持つ「MSM6100」の端末投入によって、一挙にムーバ並のスピードとなりました。逆にドコモのほうはムーバからFOMAへ移行していく中で、レスポンス向上に苦しんだというわけです。

 CPUの進化によって大きくレスポンスが向上するのは、au端末を見ても明らかなわけですが、FOMAにもその時代がやってきました。発表の通り、902iシリーズの“一部機種”にはOMAP2が搭載されています。

 OMAP2は、これまでのFOMA 700i/900iが搭載していたOMAPに比べパフォーマンスが向上。CPUコアでいえば、OMAPがARM9だったのに対し、OMAP2はARM11コアを搭載しています。ハードウェアのスペックアップにより、ベース速度を増したFOMA。特に、「N902i」「P902i」の速度アップには目を見張るものがありました。Linux OSのほうも、かなりチューニングが進みつつあるのではないでしょうか。

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