902iシリーズ第4弾としてリリースされた、シャープ製の「SH902i」(「SH902i」記事一覧参照)は、従来の同社製ハイエンドFOMAと同様のハイスペックを維持しつつ、大幅にスリム化したのが大きな特徴だ。
端末名 | サイズ | 重さ | アウトカメラ | インカメラ |
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SH902i | 51×107×23ミリ | 129グラム | AF付き316万画素CCD | 11万画素CMOS |
SH901iS | 52×112×25ミリ | 150グラム | AF付き316万画素CCD | 11万画素CMOS |
OSをSymbianに変更し、CPUにはOMAP2を採用。ソフトウェアを最適化することで、リアルタイムOSから汎用OSへの変更に伴う動作速度の低下をできる限り抑えた点にも注目が集まる。実際に操作してみると、前モデルの「SH901iS」(「SH901iS」記事一覧参照)より多少もたつく感はあるが、通常の操作ではストレスを感じるほどではない。
新しく生まれ変わったSH902iのマルチメディア機能について、機能や使い勝手をチェックしていこう。
SH902iのカメラは、動画の手ブレ補正機能を備え(2005年7月の記事参照)、オートフォーカスに対応した316万画素CCD。静止画は最大3M(1536×2048ピクセル)サイズで記録でき、動画はQVGA(240×320ピクセル)サイズの15fpsで撮影できる。
前モデル同様、オートフォーカス機構も備えており、FOMAに搭載された携帯カメラとしては最高峰のスペックを誇る。カメラのスペックは前モデルのSH901iSと同等なので、撮影画像のクオリティについては、荻窪圭氏の記事(2005年6月の記事参照)を参考にしてほしい。
SH902iには、サムネイル表示しているときにメールボタンを押すと、画像を添付したメールを作成する機能がある。添付の際にQVGAサイズに変換するか聞いてくるなど、なかなか便利な機能で、先にメールを作成しておいて添付ファイルで画像を選択した場合でも同じように利用できる。また撮影時の操作が各ダイヤルキーに割り当てられている点も使いやすい。
SH902iは、撮影した動画の編集機能に長けているのも特徴の1つ。動画の一部分(コマ)を切り出す「静止画キャプチャ」やテロップ・アフレコ挿入、エフェクト編集などの機能を備え、メール添付用にサイズも変換できる。PCで見てもかなりきれいな動画を撮影できるので、パケ・ホーダイに加入して、動画をブログにアップするような用途にも向いている。
ただ使い勝手の面でいくつか気になるところもある。1つは選択移動や選択削除を行う際に、サムネイルが表示されない点だ。撮影した画像の表示は、9および16分割のサムネイル表示、非サムネイル表示から選択できるが、選択削除または選択移動を行う際にはファイル名のみが表示され、ここから選択しなければならない。画像のファイル名は連番になっており、ファイル名だけをたよりに削除/移動する画像を選ぶのはかなり難しい。
miniSDカードへの保存や、miniSDカードからの写真の読み出しに相変わらず時間がかかるのも気になるところ。また、「カメラ設定保持」をオンにしていても、ピクチャーライトの設定が記憶されず、起動するたびに勝手にオートに戻ってしまう点も気になった。
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