ギミー・ヘブン「すぐに迎えに行くから待ってろ」Mobile&Movie 第196回

» 2006年01月27日 14時33分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名ギミー・ヘブン
監督松浦徹
制作年・製作国2005年日本作品


 今回ご紹介する作品は、スタイリッシュサスペンス「ギミー・ヘブン」。物語のクライマックスでプリペイド携帯が登場し、その通話中に思いがけない悲劇が訪れます。

 ある豪邸で起こった殺人事件が、すべての発端でした。現場検証のためにやって来た刑事の亜季(石田ゆり子)は、死体の血痕が奇妙な形をしていることに気付きます。殺されたのはその家の主人で、残された養女の麻里(宮崎あおい)が莫大な資産を受け継ぐことに。義父の死後、間もないにもかかわらず自室でピアノを弾く麻里に、亜樹は話し掛けますが、答えようとしませんでした。そして数日後、麻里は豪邸から姿を消してしまいます。

 デザイン事務所を営む新介(江口洋介)は、その本業とは別にインターネットで盗撮サイトを下請けでやっていました。女性の部屋や街角など数多くのカメラを仕掛け、その様子は事務所に並ぶモニターでチェックしていました。ある時、弟分の貴史(安藤政信)が、河川敷に設置されたカメラに、倒れている女性が映し出されていることに気付きます。

 さっそくその現場にやって来ると、少女は深く眠っているだけ。疲れきった様子の少女を、新介と貴史は事務所に連れて帰ることにします。男二人だけで過ごしていた事務所に、少女がやって来たことで華やいだと貴史は喜びますが、新介の胸中は複雑でした。それは、少女のどこか孤独な雰囲気。やがて、新介はテレビのニュースで、その少女が警察が行方を追っている麻里だと知ります。

 貴史は麻里の境遇に同情し、事務所でかくまうことを新介に提案します。乗り気でない新介でしたが、貴史の気持ちを尊重することに。こうして、三人での共同生活が始まります。しかし、麻里と暮らし始めてから、新介のまわりで奇妙な現象が起こるように。盗撮サイトのカメラが壊れたり、サーバがダウンしたり。それらはすべて、麻里を追う何者かの仕業でした。「麻里を返せ」という脅迫は日に日にひどくなり、外出中に事務所が荒らされている事態にまで。

 危険を感じた貴史は、麻里と新介と三人で遠くへ逃げようと提案します。新介も逃亡に協力するつもりでしたが、恋人に引き止められ行けなくなってしまいました。しかたなく貴史と麻里は二人で、車で北に向かうことになります。麻里を想う貴史ですが、麻里の気持ちはわからないまま。頑なに閉ざした心は二人でいても、開くことはありません。やがて、貴史は山の中の廃屋にたどり着きます。

 その頃、新介は東京で貴史たちのいる廃屋の様子がインターネット中継されていることに気付きます。誰がどうやってこんなことを。さらに、貴史が購入したプリペイド携帯の電話番号もネットゲームを通じて知らされます。慌てて電話をかける新介。

 「おい貴史、俺だ」

 「どうして」

 驚く貴史。

 「いったい、そこはどこなんだ?」

 貴史はなかなか答えようとしません。

 「すぐに迎えに行くから待ってろ」

そんな会話の間に、貴史に危険が迫っているとも知らず……。

 麻里を追う人物の正体は? そして麻里の孤独の理由とは? 亜樹が辿る“共感覚”をキーワードに、すべての謎は解き明かされます。

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