ITmediaではこれまで、中国版PHSの「小霊通」を契約してみたり(2005年5月24日の記事参照)、ドイツのプリペイド携帯を購入してみたりと(2005年3月22日の記事参照)、さまざまな現地体験リポートをお届けしてきた。今回はさらに、「CeBIT 2006」に参加した機会に、ドイツでプリペイドではない「契約回線」を持てるかどうかにチャレンジする。
契約回線はプリペイドより料金が安いし、もちろん日本の携帯電話の国際ローミング料金よりも割安になる。とはいえ非居住者である外国人が現地で回線契約をするのは、日本を含めどこの国でも一般的には難しい。しかし方法がないわけではない――日本に居ながら、海外の通信事業者の契約を行えるサービスがいくつか存在するのだ。これを利用すれば、非居住者でも容易に現地回線の契約ができる。
というわけで、早速体験してみた。
今回は独Deutshe Telekomの日本法人、ドイツテレコムが扱っている「T-Mobile」に契約してみた。T-Mobileグループはドイツを中心に欧州や北米など各国で事業展開しており、英Vodafoneや仏Orangeなどと並ぶ「ビッグキャリア」の一つだ。
日本で契約できるのは本国のT-Mobile回線。T-MobileはGSMとW-CDMA、両方式のサービスを行っている。GSM/W-CDMA方式は契約を、加入者情報の入った「SIMカード」で行う。すなわちT-Mobileの契約を行っても、受け取るのはSIMカードだけ。実際に利用するには別途端末を購入する必要がある。GSM/W-CDMA携帯電話はドイツテレコム日本法人で取り扱うほか、日本ではノキアジャパンなども取り扱っている(3月7日の記事参照)。もちろん海外で現地購入してもよい。
T-Mobileの契約で利用できるのは、以下のサービス。
利用できるのはドイツ国内はもちろんのこと、国際ローミングを利用して欧州、アジア、北米、そして日本を含む世界130カ国。なおMMS/WAP/パケット通信を使うには、利用する携帯が対応している必要がある。
日本での契約には2種類がある。1つは通常の契約である「スタンダードプラン」。もう一つが手軽に利用できる「mitプラン」だ。スタンダードプランは毎月基本料金を支払い、契約も自動継続。パケット通信やホットスポットの、割引オプションプランに加入することもできる。一方mitプランは指定期間分の基本料金を初期費用として先払いし、期間終了後は自動解約となるプラン。利用期間があらかじめ決まっており、なおかつ解約手続きが面倒な場合などに向いているプランといえるだろう。ちなみにmitプランの料金はスタンダードプランの1.1倍。パケット通信やホットスポットの利用はスタンダードプラント同様に可能だが、割引オプションプランには加入できない。
― | スタンダードプラン | mitプラン |
---|---|---|
基本料金 | 毎月支払い | 半年/1年/2年を一括支払い |
契約期間 | 1カ月単位、自動継続 | 半年/1年/2年で自動解約。継続には申し込みが必要 |
料金 | 通常料金と同じ | スタンダードプランの1.1倍 |
オプションプラン | パケット/ホットスポット割引 | オプション契約不可 |
毎月の支払いは銀行振込やクレジットカード、自動引き落としなどとなっている。なおドイツ以外の国で国際ローミングサービスを利用した場合は、ローミング料金の請求が数カ月遅れてくる場合もあるとのこと。また基本料金以外の利用料金はユーロ建てで、日本円に換算して請求される。
申し込みにはドイツテレコムのWebサイトから申し込み用紙をダウンロードし、必要事項を記入してFAXで送信する。この際、端末を同時に購入することもできる。後ほど担当者から直接電話による確認を受けた後、希望の日(1週間後程度)にSIMカードと利用案内等が届く仕組み。同封されているリストに電話番号、PIN番号、PUK番号(ロック解除番号)、SIMカード番号など必要な情報はすべて記載されている。
T-Mobileの携帯番号は「xxx-xxx-xxxxx」と11桁だ。ドイツ国内では頭に「0」をつけた12桁を利用する。日本やドイツ以外の海外からかけてもらうなら、ドイツへの国番号「49」を頭につける。日本から電話をかけてもらう場合は、国際発信番号「010」に続けて49をつけ発信する(マイライン/マイラインプラスの国際通話区分に電話会社を登録していない場合は「010」の前に「001」などの電話会社識別番号も必要)。
さっそく、「CeBIT 2006」に参加したついでに、訪れたドイツで利用してみた。
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